バーニーの父はペンキ販売員。

文芸ジャンキー・パラダイスより
●3月27日…米大統領予備選のバーニー・サンダース、前回ヒラリーに3連敗したから、もうこのまま失速して終わりかと思いきや、ワシントン、アラスカ、ハワイと3連勝!しかもトリプルスコアの圧勝。なんとか食い下がった形。逆転は厳しそうだけど、ギリギリまで踏ん張ることでヒラリーの政策をより格差是正に近づけることができる。米社会の潮流は日本にも時間差で伝わってくるから、マジ応援している。予備選の決着がつくのは6月7日。
※ヒラリーは選挙資金の85%が大企業、ウォール街からの大口献金。一方、バーニーは「見返りを求めない政治献金などない」と企業から政治家への大口献金の中止を訴え、また支持者であっても大口の個人献金は受け取らず、一人当たり平均25ドルの小口献金のみを受け付けると宣言。その結果、大統領候補として史上最高額の230万ドルが集まった。いわゆる“アカ”を毛嫌いする米社会にあって、バーニーのアンチが少ないのはこういう姿勢があるから。
泡沫候補と思われていた74歳のお爺ちゃんがなぜ若者から圧倒的な支持を得ているか(イリノイ州の若者はバーニー支持84%、ヒラリー支持14%)、人物像を紹介。バーニーの父はペンキ販売員。家は貧しく苦学してシカゴ大に進み、40歳のときにバーモント州で米国初の“社会主義市長”となった。市長として格差是正に取り組み、家賃やケーブルTVを値下げさせ、高級住宅街の開発を白紙にさせて一般市民の憩いの場となる公園を整備。また全米で初めて市内の電力を100%再生エネルギー(脱原発)に変えた。その後も実績を積み重ね、1991年に無所属の米下院議員となり、07年から上院議員となった。
バーニーの名前を一躍有名にしたのは2010年に米議会で行った“8時間37分”の大演説。格差拡大を招く富裕層への優遇を徹底的に批判し、これを数百万の人々がネットで視聴したため国会のサーバーが一時パンクした。
バーニーの3大選挙公約「最低時給15ドル(1800円)への引き上げ」「医療の国民皆保険」「公立大学の授業料無償化」はいたってマトモ。ヒラリーはこれを“机上の空論”というけど、北欧をはじめとして一部の欧州諸国では既に実現しているものばかり。国民皆保険は日本にだってある。これのどこが“アカ”なのか。勝つつもりで大統領選に挑んだ社会民主主義者はサンダースしかいない。最後までエールを送りたい。