木原壯林

 新着情報 2017.7.22

原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様(BCCでお送りしています) 

猛暑の中、原発全廃のためにご尽力頂きありがとうございます。 

本日7月21日の京都での金曜行動で配布予定のチラシを添付いたします。ご参考になれば幸いです。 

②8月4日には高浜町で「8.4公園・討論会in 若狭 げんぱつにたよらない町づくりを目指して」を開催し、

4日から5日にかけては、若狭和田ビーチでキャンプをします。案内のチラシを添付します。

ぜひご参加下さるようお願いいたします。   若狭の原発を考える会・木原壯林 

 

① https://www.slideshare.net/tanpoposya/2017721  ←ーーこちら ダウンロードも出来ます

② https://www.slideshare.net/tanpoposya/f84     ←ーーこちら ダウンロードも出来ます

 

(2017/06/04  メルマガ掲載文より)

人類史より長い未来にまで危険と不安を残す

 

 |  使用済み核燃料を増やしてはなりません!

 

 |  高浜原発の再稼働を許さず、原発を全廃して

 

 |  重大事故の不安のない社会をめざしましょう!()

 

 └──── 木原壯林 (若狭の原発を考える会)

 

 

 

5.原発を再稼働させれば、新しい使用済み核燃料が増え、

 

  使用済み核燃料プールの危険度が急増する

 

 

 

 福島第一原発事故以降、多くの原発が停止しています。したがって、燃料プー

 

ルにある核燃料の放射線量や発熱量は、かなり減少しています。中には、もう少

 

し冷却すれば、乾式(空冷)保管が出来るようになるものもあります。そうなれば、

 

使用済み核燃料の保管は格段に容易になります(それでも、使用済み核燃料の長期

 

安全保管は至難です)

 

 しかし、原発を再稼働させれば、旧(もと)の木阿弥(もくあみ)で、放射線量と

 

発熱量が多い使用済み核燃料が増え、危険度は急増します。

 

  再稼働を阻止し、原発を全廃し、重大事故の不安のない社会をつくりましょう!

 

 

 

6.安易に乾式中間貯蔵所を作り、燃料プールを空けて

 

  原発の運転を継続する企(たくら)みは許されない

 

 

 

 上述のように、原子炉から取り出して間もない使用済み核燃料の保管は、極め

 

て危険です。したがって、原発を運転して、使用済み核燃料を生じさせてはなり

 

ません、一刻も早く全原発の廃炉を決意し、使用済み核燃料を危険度の低い乾式

 

貯蔵が可能な状態にしなければなりません。

 

 また、数万年もの長期間にわたって使用済み核燃料を、安全に乾式貯蔵する技

 

術と体制を整えなければなりません。

 

 今、使用済み核燃料プールが満杯に近付いています。満杯になれば、原発の運

 

転は不可能になります。そこで、原発敷地内に中間貯蔵所を設けて、そこに使用

 

済み核燃料プールから燃料を移し、空いたプールにさらに使用済み核燃料を貯蔵

 

できるようにして、原発を運転し続けようとする企みがあります。

 

 この企みが拡大すると、際限なく使用済み核燃料が増え、原発敷地内は使用済

 

み核燃料で溢れ、原発の危険度は急増します。

 

 なお、中間貯蔵を原発敷地内で行うことを認めれば、使用済み核燃料を引き受

 

けてくれる場所のない現状では、原発立地が長期保管地になりかねません。

 

 使用済み核燃料の保管は、例え膨大な費用を要しても、現存する最高の技術と

 

英知を結集した施設で行わなければなりません。

 

 そのような施設の建設を、人の命や尊厳より経済的利益を優先する電力会社に

 

期待することはできません。

 

 

 

7.「プルサーマル炉」は発熱量が下がりがたい使用済み核燃料を生む

 

 

 

 高浜原発3、4号機のようなプルサーマル炉は、ウラン・プルトニウム混合酸

 

化物(MOX)を燃料としていますが、核分裂によってMOX燃料から生じる元素

 

は、ウラン燃料から生じるものとは異なり、使用済み核燃料になったとき、放射

 

線量や発熱量の減少速度も異なります。使用済みMOX燃料の発熱量は下がり難

 

いため、長期にわたってプール内で水冷保管しなければ(使用済みウラン燃料の4

 

倍以上)、空冷保管が可能な状態にはなりません。取り出し後50年~300年の使用

 

済みMOX燃料の発熱量は、使用済みウラン燃料の発熱量の3~5倍です。

 

 また、使用済みMOX燃料の発熱量を、50年後の使用済みウラン燃料の発熱量

 

レベルに下げるには300年以上を要します。MOX燃料は、その意味でも、極めて

 

厄介な核燃料です。

 

 

 

 最近の経験は、原発はなくても電気は足りることを実証しました。重大事故を

 

起こしかねず、危険極まりない使用済み燃料を生む原発を動かす必要はありませ

 

ん。

 

 原発の稼働は、電力会社の金儲けのためです。

 

 原発事故は自然災害とは異なります。自然災害を止めることはできませんが、

 

原発事故は止められます。原発は人が動かしているのですから、人が原発全廃を

 

決意すれば良いのです。

 

 原子力防災とは、避難計画ではありません。不可能な避難を考えるより、事故

 

の原因である原発を廃止することが原子力防災です。原発全廃こそ原子力防災で

 

す。

 

重大事故が起こってからでは遅すぎます。原発全廃の行動に今すぐ起ちましょう!

 

  ()       (6月2日配布「キンカン」ビラより)

 

 

 

☆高浜原発3号機再稼働を許すな!

 

 6月6日()高浜原発現地集会に総結集しよう!

 

 12時;高浜原発先の展望所に集合、

 

 13時;高浜原発北ゲートに向かってデモ、

 

 1330分;関電への申入れ、1730分頃まで抗議行動

 

 京都(9時:JR京都駅南バスプール)

 

 大津(9時;JR大津駅・逢坂支所前、

 

      9時10分;JR大津京駅前)よりバス配車の予定。

 

 (2017/06/2  メルマガ掲載文より)

人類史より長い未来にまで危険と不安を残す 

 |  使用済み核燃料を増やしてはなりません! 

 |  高浜原発の再稼働を許さず、原発を全廃して 

 |  重大事故の不安のない社会をめざしましょう!()(2回の連載)

 

 └──── 木原壯林 (若狭の原発を考える会) 

 

1.原発を運転すると、次のような原発運転に不都合な事態が生じます 

・核分裂を起こすウランやプルトニウムが減少し、中性子発生数が減少して、核分裂反応が進みにくくなります。 

・核燃料の中に運転に不都合な(中性子を吸収し、原発運転を困難にする)各種の核分裂生成物(死の灰)や超プルトニウム元素(プルトニウムより重い元素;アメリシウムなど)が生成します(注1参照)。 

・核燃料を閉じ込めておく燃料被覆管の腐食(核分裂によって余剰となった酸素と被覆管の反応、放射線による腐食など)やひずみが発生します。 

 したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、ウランやプルトニウムを使い切っていないにもかかわらず、新燃料と交換せざるを得なくなります。 そのため、使用済み核燃料がたまります。 

 現在、日本には使用済み核燃料が17,000トン以上たまり、原発の燃料プールや青森県六ケ所村の再処理工場の保管場所を合計した貯蔵容量の73(2016)が埋まっています。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。 

 国の計画では、全国の使用済み核燃料は六ケ所村に移送し、再処理して、ウラン、プルトニウムを取り出し、再利用することになっていました。 

 しかし、再処理工場の建設はトラブル続きで、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途(めど)は立っていません。危険極まりないこの工場の運転は不可能とも言われています。再処理工場にある容量3,000トンの使用済み燃料一時保管場所の98%はすでに埋まっています。

  

※注1:使用済み核燃料の組成 

 使用前のウラン燃料(3%濃縮ウラン燃料)1トン中には、ウラン238970kg、ウラン23530kg含まれますが、燃焼後、交換が必要になった時点では、ウラン238950kg、ウラン23510kgに減少し、プルトニウムが10kg、核分裂生成物生成物が30kgが生成しています。

 

2.使用済み核燃料の行き場はない 

  現在の科学技術では核燃料再処理は不可能 

 使用済み核燃料は、原子炉から取り出し、原子炉に付置された燃料プールで一定期間(3~5年)冷却して、放射線量と発熱量が空冷保管できるまで減少した後、特殊な容器(キャスク)に入れて保管します。 

使用済み核燃料の処理・処分には2つの方向があります。 

 1つは、使用済み核燃料を溶解し、核燃料として再利用できるウランやプルトニウムを分離回収して、プルサーマル炉や高速増殖炉で燃料として利用しようとする(核兵器にも利用できる)、いわゆる再処理です。 

 日本はこの方向ですが、後述のように、危険極まりない再処理工場の稼働は遅れに遅れています。

  他の1つは、使用済み核燃料を再処理せず、燃料集合体をそのままキャスクに入れて、地中の施設に保管する「直接処分(ワンスルー方式)」です。「直接処分」の方が安全で、放射性廃棄物量も少ないと考えられ、アメリカはその方向ですが、10万年以上の保管を要し、これにも多くの問題があります。

 再処理にあたっては、使用済み核燃料を再処理工場サイトにある貯蔵施設に運びます (日本では、青森県六ケ所村)

 再処理工程では、燃料棒を切断して、鞘(さや)=燃料被覆管から使用済み核燃料を取り出し、高温の高濃度硝酸で溶解します。  

 溶解までの過程で、気体の放射性物質(希ガスなど)が放出されます。白金に類似した物質は溶け残ります。溶解したウラン、プルトニウム、核分裂生成物(死の)などを含む高濃度硝酸溶液中のウラン、プルトニウムは、これらの元素と結合しやすい試薬を含む有機溶媒を用いて取り出し(溶媒抽出)、さらに精製して核燃料の原料とします。 

 この過程で、硝酸の分解ガスが発生し、爆発したこともあります。また、死の灰などの不要物質が、長期保管を要する高レベル(高放射線)廃棄物として大量に発生します。 

 その処理・処分方法は提案されてはいますが問題山積です。保管を受け入れる場所もありません。

  使用済み核燃料は高放射線ですから、再処理工程の多くは、流れ系を採用し、遠隔自動操作で運転されます。そのため、再処理工場には、約10,000基の主要機器があり、配管の長さは約1,300kmにも及びます(うち、ウラン、プルトニウム、死の灰が含まれる部分は約60km:継ぎ目の数は約26,000箇所)。高放射線に曝(さら)され、高温の高濃度硝酸ほ含む溶解槽や配管(とくに継ぎ目)の腐蝕、減肉(厚さが減ること:溶解槽で顕著)、金属疲労などは避け得ず、安全運転できる筈がありません。 

 長い配管を持つプラントが、地震に弱いことは容易にうなづけます。再処理工場は完成からは程遠い状態にあります。 

3.再稼働が続けば、若狭の原発の燃料プールも7年で満杯 

 上記のように、再処理は不可能に近い状態ですから、使用済み核燃料は蓄積の一方です。若狭にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、その7割以上が埋まっています。関電の原内の保管プールの貯蔵割合は、4月末で、大飯と高浜が約71%、美浜が63%に達しています。新規制基準審査未申請の2機を含めた関電の原発9基が運転されれば、年間約370体の使用済み燃料が発生しますから、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります

 

4.無防備で脆弱(ぜいじゃく)な使用済み核燃料プール 

 一般的に、使用済み核燃料貯蔵プールは、沸騰水型(BWR)原子炉では原子炉本体の上部に、加圧水型(PWR)では原子炉本体の横に設置されていて、被曝をせずに使用済み燃料を圧力容器からプールに移送できるようになっています。このプールには、燃料集合体が臨界に達しないように(核分裂連鎖反応を起こさないように)間隔をあけて置かれ、水がはられ(例えば、燃料集合体の上部から7mの水深)、循環していて、燃料を冷却しています。水は、放射線の遮蔽材の役目も果たします。このプール内には最大で、10炉心分の燃料が保管されています。

  使用済み核燃料貯蔵プールは、同じく核燃料の容器である圧力容器(原子炉本体)と比べて、無防備と言っても過言でないほど脆弱です。 

 深さ10m近くのプールが地震などで破壊され、一気に水が抜ければお手上げです。このように、冷却水を喪失し、メルトダウンする危険性が高いことは、福島第一原発事故で、4号機の燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機にあった事実からでも明らかです。プールに入っている燃料が、原子炉から引き抜いて、かなりの年数(例えば、3~5年)が経ったものであれば、放射線量、発熱量もある程度は減少していますから、燃料溶融(メルトダウン)に至るまで少々はゆとりがありますが、もし、取り出して間もない燃料が露出することになれば燃料溶融に至ります。 

 一方、燃料集合体間の間隔を隔てているラックが倒壊あるいは崩壊すれば、局所的な温度上昇による水の蒸発(冷却機能の喪失)や核燃料の再臨界(核分裂連鎖反応の再発)の可能性があります。 

 再臨界に達すれば、急な温度上昇による巨大な水蒸気爆発、水素爆発が起こり、冷却材が供給されない状況下では火災となり、揮発しやすい成分(例えば、セシウ137)が世界中を汚染させます。

  地震によって、巨大プールの水に周期の長い揺れ()が発生し、それが共振して拡大すれば、波の力によるプールの倒壊も危惧されます。()に続く  

☆高浜原発3号機再稼働を許すな! 

 6月6日()高浜原発現地集会に総結集しよう! 

 12時;高浜原発先の展望所に集合、13時;高浜原発北ゲートに向かってデモ、 

 1330分;関電への申入れ、1730分頃まで抗議行動

 

 

新着情報 2017.5.27

原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様へ。 

明日26日に京都の金曜行動で配布予定のチラシを添付します。

 若狭の原発を考える会・木原壯林(090-1965-7102 

https://www.slideshare.net/tanpoposya/2017526   ←ーー PDF downloadもできます。

2017.5.20 新着情報 

 原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様 

本日519日、京都でのの金曜行動で配布予定のチラシを添付します。このチラシは、高浜原発4号機再稼動前に若狭でのアメーバデモでも配布しました。ご参考になれば幸いです。

 人類と共存し得ない原発を、私たちの反対と警告を無視してうごかして、もし事故が起こったら、関電、政府、規制委は犯罪者です。断固として糾弾しましょう! 

若狭の原発を考える会・木原壯林

https://www.slideshare.net/tanpoposya/f20175-76142347   ←ーーこちらクリック PDF downloadもできます。

新着情報 2017.3.25       3月24日京都の金曜行動で配布のチラシ
原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様
先週の金曜日(17日)には、前橋地裁で、福島事故は、国と東電によって引き起こされた人災であることを認める画期的な判決が出ました。賠償の範囲と額が小さいという不満は残りますが、一歩前進だと思います。
 来る28日には大阪高裁で、高浜原発運転差止め仮処分裁判抗告審の決定が予定されています。また、30日には広島地裁で、伊方原発運転祭止め仮処分裁判の決定も予定されています。これらの裁判の結果が、脱原発・反原発、原発全廃に向けて、大きな力になることを期待しながら、今週も金曜行動で配布するチラシを作り、ここに添付しました。ご参考になれば幸いです。、
若狭の原発を考える会・木原壯林 
(☟ファイルは同じものです。選んでダウンロードして下さい)
2017.3月24日キンカン.docx
Microsoftワード文書 4.8 MB
2017.3月24日キンカン.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 527.3 KB

新着情報 2017.3.18   ( 昨日の京都の金曜行動で配布したチラシ)
原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様
福島の大惨事から6年がたちました。福島原発の事故は、原発は人類と共存し得ない、原発はなくても電気は足りることを教えました。不必要な原発で人の命と尊厳をないがしろにすることの犯罪性も明らかにしました。したがって、国民の大多数が脱原発を求めています。脱原発・反原発は社会通念=民意です。それでも、安倍政権は、原発再稼動、核燃料サイクルの推進に躍起です。許してはなりません。
一方、海外では、福島事故を真剣に受け止め、脱原発に舵を切った国が多数あります。ここに、海外の脱原発の動きについて、まとめたチラシを添付します(昨日の京都での金曜行動で配布しました)。ご参考になれば幸いです。なお、大急ぎで集めた知識ですので、不備が多々あると思います。ご指摘、ご教示をお願いします。
若狭の原発を考える会・木原壯林

 

2017年3月17日キンカン(海外の脱原発).docx
Microsoftワード文書 448.3 KB
新着情報 2017.3.5
木原壯林さんからのメッセージをご紹介します。
原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様
一昨日、昨日は若狭でのアメーバデモを展開しました。今回は、主として、東舞鶴、高浜西部を回りました。高浜原発は、新しい避難トンネルの工事、老朽1,2号機の改修など、全域が工事現場の様相です。例のクレーンも林立しています。周辺の山地の樹木の多くが伐採され、山が掘り返されています。
 さて、ここに昨日夕刻の金曜行動(京都)で配布したチラシを添付します。ご参考になれば幸いです。
 高浜原発3,4号機運転差止め仮処分裁判の大阪高裁抗告審の決定が、近々出るものと予測されます。どのような決定になろうとも、それぞれに応じて、即座に行動に立ち、高浜原発はもちろんのこと、全原発の廃炉を勝ち取る運動の高揚を創出しましょう!
若狭の原発を考える会・木原壯林
:::::::::::::::::::::::::::::
(1)2月14日に木原壯林さんから送ってもらったビラです。
   各電力会社の事故が記載されている、大阪高裁に向けたビラです。
(2)2番目は3月3日(金)京都の金曜行動で配布されたビラです。
 ビラの内容は☟をご覧下さい
3月3日(金)京都の金曜行動で配布されたビラです。
2017年3月上旬4つの原子力政策 (1).docx
Microsoftワード文書 44.0 KB
2月14日に木原壯林さんから送ってもらったビラです。
   各電力会社の事故が記載されていおり、大阪高裁に向けたビラです
大阪高等裁判所2.2 (1).docx
Microsoftワード文書 513.1 KB

木原壯林 たんぽぽ舎メルマガより 20161225

┗■1.高浜原発抗告審では民意を大切にしたご判断をお願いします
 |   ※原発再稼働阻止、原発全廃のためにご奮闘の皆様へ
 |   大阪高等裁判所へのチラシです
 └──── 木原壯林(若狭の原発を考える会)
 
   大阪高等裁判所 山下郁夫裁判長、杉江佳冶裁判官、吉川慎一裁判官様
   高浜原発抗告審では民意を大切にしたご判断をお願いします
 
1. 脱原発は民意、社会通念です
 周知のように、各種の世論調査は、脱原発、原発再稼働反対の国民は60~80%であ
ることを示しています。
 ・原発を争点とした鹿児島県知事選挙(7月:2人立候補)、新潟県知事選挙(10
月:4人立候補)では、それぞれ55.5%、52.2%を獲得した原発再稼働に慎重な知事
が誕生しました。
 ・原発の地元自治体住民も脱原発を願っています。
 ・昨年8月に愛媛県伊方町で、「伊方原発 50 km 圏内住民有志の会」が戸別訪問に
より実施した「はがきアンケート」(2488戸にはがきを配布し、881戸から回答を得
た)では、原発再稼働反対51%、賛成27%、どちらとも言えない22%でした。
 ・去る12月18日、高浜原発に隣接し、事故の際、陸路で避難するには原発ゲート前
を通らざるを得ない[地元中の地元」音海(おとみ:住民136人)地区の自治会は、
高浜原発1、2号機の運転延長に反対する意見書を採択しました。新聞では(裏面、毎
日新聞記事参照)、3、4号機の抗告審の結審が近いことに関連して、この採択が「考
えてもらうのに良い時期だ」とする住民の意見も報道されています。
 ・私達「若狭の原発を考える会」は、毎月2回程度若狭全域の集落の隅から隅ま
で、脱原発を訴えながら、チラシの各戸配布(通称「アメーバデモ」)を行っていま
すが、私たちを応援して下さる方は多数あっても、非難される方はほとんどいませ
ん。すなわち、原発立地といえども、「隠れ脱原発派」が多数です。
 
2. 傲慢さに慣れ切った電力会社に緊張感をもって原発を運転する資格はありません
 電力会社にとって、原発再稼働は命運をかけた作業であったはずです。それにも拘
らず、昨年8月に再稼働した川内原発1号機は、再稼働10日後に早速、復水器冷却細
管破損を起こし、高浜原発4号機は、再稼働準備中の2月20日,1次冷却系脱塩塔周
辺で水漏れを起こし、2月29日には、発電機と送電設備を接続した途端に警報が吹鳴
し、原子炉が緊急停止しました。さらに、伊方原発3号機は、再稼働準備中の7月17
日、1次冷却水系ポンプで水漏れを起こしました。これらの、再稼働を進める全原発
で起こったトラブルは、原発の点検・保守や安全維持の困難さを示唆し、配管の腐食
や減肉などの老化が進んでいることを示すとともに、傲慢で、安全性を軽視すること
に慣れ切り、緊張感に欠けた電力会社が原発を運転する能力・資格を有していないこ
とを実証しています。
 
3. 原子力規制委員会の審査は無責任で、科学とは縁遠いものです
 田中俊一原子力規制委員会・委員長は、ことあるごとに、「あくまで科学的に安全
上問題ないかを判断するのが我々の使命だ」と述べています。しかし、科学とは、実
際に起こった事実を冷静に受け入れ、丁寧に調査し、検証・考察して、その上に多く
の議論を重ねて、結論を導くものです。規制委員会の審査は、この過程を無視してお
り、科学とは縁遠いものです。まず、実際に起こった最も重大な事実は福島原発事故
です。福島事故に関して、事故炉内部の詳細は今でも分からず、事故の原因究明が終
わったとするには程遠い状態にあります。「科学」を標榜するのなら、福島事故の原
因を徹底的に解明して、その結果を参照して、原発の安全性を議論・考察するのが当
然です。大津地裁での運転差止め仮処分決定でもそのことを指摘していますが、規制
委員会はこの指摘を無視しています。
 次に、最近起こった事実は、前述の川内原発1号機復水器冷却細管破損のトラブル
です。このような細管破損は、他の原発でも起こっています。例えば、美浜原発2号
機(1972年運転開始)では、1991年、蒸気発生器伝熱細管破断事故を起こし、日本で
初めて緊急炉心冷却装置(ECCS)が作動しました。また、2004年には、3号機(1976
年運転開始)の二次冷却系復水系配管が破裂する事故が発生し、死者5名、重軽症者
6名を出しています。これらの事故は、原発運転に伴って、配管材料である金属の脆
化、腐蝕、疲労、減肉(げんにく:管の厚みが減ること)が進行していることを示し
ています。しかし、規制委員会の再稼働適合審査では、目視可能なケーブル、コンク
リート、鉄筋など、簡単に点検や補修できる箇所については審査しても、点検が困難
な冷却細管、点検・交換が不可能な圧力容器については、十分審査しているとは言え
ません。このように、調査や改修の困難な部分については手抜きする審査は、「科学
的」に安全を保証するためのものではありません。
 一方、原発重大事故の主要要因の一つは地震ですが、その規模、発生する場所、時
期の予測が至難であることは、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本・大分大震災
が教えるところです。これらの大震災は「未知の活断層」に起因して発生していま
す。また、1つの地震が数百の余震を伴い、それによって被害が甚大になることも、
これらの大震災が教えています。それでも、規制委員会はその教訓を生かそうとはし
ていません。日本のような地震多発地に原発があってはならないのです。 
 ところで、科学の基本は実証ですが、規制委員会による審査のほとんどは、実験結
果ではなく、コンピュータによる机上計算(シミュレーション)の結果に立脚してい
ます。しかし、シミュレーションの結果は、計算概念(プログラム)と入力データに
大きく依存しますので、計算概念が完全でなく、入力データが不適当であれば、大き
な意味を持ちません。原発事故の推移をコンピュータシミュレーションできるほど現
代科学は完璧ではありません。
 なお、川内原発、高浜原発、伊方原発の再稼働に伴って起こったトラブルは、老朽
原発の再稼働にお墨付きを与えた新規制基準が極めていい加減な基準であり、規制委
の審査が無責任極まりないことを物語っています。
 
4. 原発を動かせば、処理法も行き場もない使用済み核燃料、核廃棄物が溜まります
 原発を運転すると、核燃料の中に運転に不都合な各種の核分裂生成物が生成しま
す。したがって、核燃料は永久に使用することは出来ず、一定期間燃焼させると、新
燃料と交換せざるを得なくなります。そのため、使用済み核燃料がたまります。現
在、日本には使用済み核燃料が17,000 トン以上たまり、原発の燃料プールと日本原
燃の再処理工場(六ケ所村)の保管スペースを合計した貯蔵容量の73%が埋まってい
ます。原発が順次再稼働した場合、数年後には満杯になります。
 国の計画では、全国の使用済み核燃料は六ケ所村に移送し、再処理して、ウラン、
プルトニウムを取り出し、再利用することになっていました。しかし、再処理工場の
建設はトラブル続きで、すでに2兆2千億円をつぎ込んだにもかかわらず、完成の目途
は立っていません(危険極まりないこの工場の運転は不可能とも言われています)。
日本原燃・再処理工場の一時保管スペース(容量3,000トン)の貯蔵量は、2012年9
月で2,945トン(占有率は98%)に達しています。青森県は「現在一時預かりしてい
る使用済み燃料は、再処理の前提が崩れれば、各原発に返すだけだ」と強調していま
す。
 福井県にある原発13基が持つ使用済み核燃料貯蔵施設の容量は5,290トンですが、
その7割近くが3,550トンの使用済み燃料で埋まっています。高浜、大飯、美浜の原発
が再稼働されれば、7年程度で貯蔵限度を超え、原発の稼働は出来なくなります。な
お、使用済み核燃料貯蔵プールは脆弱で、冷却水喪失→メルトダウンの危険性が高い
ことは福島第1原発事故(4号機燃料プールから冷却水が漏れ、核燃料溶融の危機に
あった)でも明らかになっています。(裏面につづく)
 一方、日本には、低レベルおよび高レベル放射性廃棄物が200リットル(L)ドラム
缶にしてそれぞれ約120万本および約1万本蓄積していますが、その処分は極めて困難
で、永久貯蔵はおろか中間貯蔵を引き受ける所もありません。
 数万年を超える長期の保管を要する使用済み核燃料、放射性廃棄物の蓄積の面から
も、原発は現代科学技術で制御できる装置でないことは明らかです。
 
5. 原発は経済的にも成り立たない装置です
 12月9日、経済産業省は、東電福島第1原発の廃炉、賠償などの事故対策費用が、
燃料デブリ(溶け落ちて固まった核燃料)の取り出し作業や除染作業の困難さ、賠償費
の見込み違いにより、従来想定の11兆円から21兆5千億円に倍増することを公表しま
した。廃炉にとって、デブリ取出しは当然の作業であり、十分な賠償は東電や国の責
任であるにもかかわらず、その経費の想定を誤った彼らの杜撰さは許されるものでは
ありません。なお、原発の廃炉費は、原発を持つ電力会社が自社の電気料金収入から
まかなうのが原則で、福島第一原発も例外ではありませんが、9日に示された金額は
その域を大きく超え、東電や政府は新たな国民負担(電力料金に添加、税金の投入な
ど)を求めています。4月の電力自由化で参入した「新電力」にも負担を求めるとし
ています。
ところで、本年度の日本の税収は約58兆円ですが、これに比べても、20数兆円の事故
対策費が国民の大きな負担であることは明らかです。それでも、政府、規制委員会、
電力会社は、原発の再稼働に躍起です。もし、次の原発重大事故が若狭で起これば、
100 km 圏内にある京都府、滋賀県の全域、大阪府のかなりの部分、1,450万人の水
源・琵琶湖が汚染されかねません。福島事故では、50 km 離れた飯舘村も全村避難で
した。このことを考え合わせれば、若狭の原発事故では、数百万人が避難を強いら
れ、故郷を失う
可能性があります。被曝なしでの避難は、到底不可能で、事故対策費は数百兆円を超
えるとも考えられます。そうなれば、国の経済は疲弊し、国民の生活が蹂躙されま
す。
原発を運転すれば、長期にわたる保管や困難を極める処理(現在は有効な処理法はな
い)に膨大な費用(現時点で、予測不能)を要する使用済み核燃料や放射性廃棄物が
蓄積し、人々に大きな負担を強いることは自明です。
 
6. 原発は、人の尊厳、生存の権利を蔑(ないがしろ)にします
 電力会社、規制委、政府は、一旦重大事故が起これば、多くの人を傷つけ、人命を
奪い、故郷を奪う原発の再稼働を進めようとしています。これは、彼らが人の尊厳、
生存の権利を犠牲にしても、経済的発展を優先させようと、暗に考えているからで
す。このような、原発推進者の非人間的な考え方は、福島からの避難指示解除の姿勢
に如実に表れています。
 政府は、避難に関して、1年間の空間放射線量が20ミリシーベルト/年(mSv/y)以
下になった地域の避難指示を解除し、避難者に帰還を強要しています。この線量は、
日本の空間線量の平均値0.28 mSv/yの約70倍であり、チェルノブイリの移住義務基準
5 mSv/yに比べても極めて高いと言えます。また、避難指示が解除された地域の電
気、ガス、水道、交通網などの生活基盤の整備や、医療、介護などの生活関連サービ
スも復旧したとするには程遠い状態にあります。したがって、帰還の意志のある住民
は少数にとどまり、ほとんどが高齢者です。今後、各世帯で分担してきた消防団活
動、共同墓地の手入れなどの共同作業の担い手が不足し、後継者不足で地域が成り立
たなくなることは明らかです。このような状況でも、強引に帰還を進めようとする政
府は、帰還に応じない人への支援の打ち切りの恫喝も行っています。一方、福島県
は、政府の意を受けて、自主避難者支援の打ち切りを決定しました。何れも、東電や
政府の賠償負担や生活支援支出の軽減のためであり、責任回避のためです。人々の安
全や生活の安寧を優先する考えは、いささかもありw)EUR「泙擦鵝・u・
 政府の避難解除にあたっての姿勢は、自然災害の場合と変わらず、住民は原発事故
という電力会社、財界、政府が一体となって引き起こした人災によって避難を強いら
れているという視点はありません。本来、原発を推進した政府や原子力ムラに、避難
解除をうんぬんする資格はありません。彼らは、事故の責任の重さを噛みしめ、誠意
ある償いに専念すべきです。避難解除を決定するのは、あくまでも住民でなければな
りません。しかし、政府は、住民の声を聴く前に、彼らの避難区域解除案(来年3月
末解除)を既定路線として新聞発表するなど、住民切り捨ての態度に終始していま
す。
 このような非人道的な事態を生じさせたのは原発です。
 原発は人が動かしているのですから、人が決意すれば、原発をとめることが出来ま
す。
 原発が無ければ、避難を強いられることもありません。
 
 私たちは、司法の良心を信じています
 原発再稼働を許さないで下さい 
 

木原壯林 たんぽぽ舎メルマガより 20160916

 

★1.多数の危険性指摘を振り切って建設され、

   今までに約1.2兆円、今でも年間約200億円を無駄遣いし

   トラブル続きの「もんじゅ」ついに廃炉?

   「核燃料サイクル破綻」は明らか!

 

                               木原壯林(若狭の原発を考える会)

 

1.高速増殖炉とは

 

  高速増殖炉は、劣化ウラン(ウラン238が主体)とプルトニウムの混合酸化物(MOX:~20%のプルトニウムを含む)を燃料とし、発電しながら消費した以上の燃料(プルトニウム)を生成できる原子炉とされている。

 プルトニウムが核分裂すると、高速の中性子(高速中性子)が飛び出す。通常の原子炉では燃料棒の間を冷却材である水が循環しているが、水を構成する水素は軽い元素であるので、高速中性子はこの水素を突き飛ばして、自身は減速して遅い速度の中性子[熱(サーマル)中性子]になる。この熱中性子は次のプルトニウムを核分裂させる。これが、プルサーマル炉の原理である。

 一方、冷却剤として水の代わりにナトリウム(融点97.7度Cであるので、少し暖めると液化する:核反応停止中は、循環のために外部から暖め続けなければならない)を用いると、ナトリウムは重い元素であるので、高速中性子は当たってもナトリウムを突き飛ばすことが出来ず、自身が高速のまま跳ね返される。すなわち、減速しない。

 高速中性子はウラン238にあたったとき吸収され易く、中性子を吸収したウラン238は自発的にプルトニウム239に変化し、核燃料となる。これが高速増殖炉の原理である。

 高速増殖炉では、中性子を減速・吸収し難いナトリウムで燃料棒を冷やし、高温となったナトリウムで水を蒸気に変え、タービンを回して発電する。

 

2.危険極まりない高速増殖炉「もんじゅ」

 

  プルトニウムの製造装置「もんじゅ」は、現在科学技術の手に負えない、最も危険な原子炉である。燃料棒を冷却して高温になったナトリウムは薄い配管を介して水と接している。水とナトリウムが直接触れれば水素が発生し、大爆発することは小学生でも知っている。

 また、ナトリウムは、空気に接すると急激に酸化され、火災を起こす。漏れ出たナトリウムがコンクリートと反応すれば水素が発生し、水素爆発を起こすことも知られている。

 これらの反応は、ナトリウムが高温であるときとくに激しい。

 一方、ナトリウムが原子炉内で局所的に高温になって沸騰し(沸点883度C)、ボイド(気泡)が発生すれば、その部分の核反応が激化して暴走事故を引き起こしかねない。

 さらに、重大事故や火災が発生したとき、水によって緊急に炉心を冷却することも消火することもできない。

 このように危険極まりない高速増殖炉は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなど、欧米ではとっくに破綻しており、日本でも「もんじゅ」はトラブル続きで、何十年も研究的・技術的成果を出せないままで、優秀な研究者、技術者などほとんどいなくなっている。

 「もんじゅ」の冷却用配管は、何十年もの経過によって、老朽化しているが、配管の1箇所にでもひびが入れば、ナトリウム・水反応やナトリウム・コンクリート反応による水素発生→水素爆発、あるいはナトリウムの酸化反応による大火災が発生する。そうなれば、「もんじゅ」の燃料は高濃度のプルトニウムを含むMOX燃料であるから、多量のプルトニウムと放射性物質が広域に飛散する。

 なお、「もんじゅ」は敦賀原発、美浜原発と近接し、接続されているので、「もんじゅ」で起こった事故は、これらの原発の重大事故を誘発しかねない。

 この「もんじゅ」は、1995年にナトリウム漏れ事故を起こし、2010年には重さ3.3トンの炉内中継装置の落下事故を起こし、近年は1万件に上る点検漏れを指摘されている。「もんじゅ」を管理する組織も腐りきっている。

 その組織は、1956年、原子燃料公社として発足し、ことあるごとに名前を変えて、動力炉・核燃料開発事業団、核燃料サイクル機構になり、今は日本原子力研究開発機構(原子力機構)に統合されて、問題体質を隠ぺいしてきた。「もんじゅ」は、今までに約1兆2千億円を無駄遣いし、今も毎年約200億円を浪費している。

 

3.「もんじゅ」組織見直しの動き

 

  原子力規制委員会(規制委)は昨年1113日、「もんじゅ」を運営する原子力機構には安全確保の資質がないとして、監督する馳文科相に、半年をめどに、「もんじゅ」の新たな運営主体を示すか、示せない場合には「もんじゅ」のあり方を抜本的に見直すよう勧告した。

 また、新たな運営主体が見つからなければ、「もんじゅ」が廃止される可能性もあると述べている。(しかし、原子力機構以上に「もんじゅ」の詳細が分かる主体はなく、結局、「もんじゅ」部門の身売りによる看板の書き換えで、別主体を作ったことにせざるを得ない。)

 なお、「もんじゅ」を推進してきた電気事業連合会(電力会社の連合体)でさえ、「もんじゅ」が桎梏(しっこく)になってきている(昨年11月、当時の会長・八木氏が、運営主体の受入れ拒否を表明)。また、「もんじゅ」の実証炉を作るはずであった日本原電も引き受けを拒否している(本年1月)。

 規制委の勧告を受けた文科省は、9月、新法人を設立して「もんじゅ」を存続する案を内閣官房に提案したが、経産省を中心に廃炉論が強く、政府は去る12日に廃炉にする方向で最終調整に入ったと言われる。(右の9月13日京都新聞朝刊を参照)

 

※【事故情報編集部】より…実際のチラシには、新聞記事のコピーが印刷されていますが、このメールマガジンには添付されておりません。

 

4.「もんじゅ」を切り捨てて、信頼回復を図り、原発再稼働、

  プルサーマル推進、核燃料再処理に突っ走る政府、規制委に

  騙されてはならない

 

  報道によると、原子力政策全般を取り仕切る経産省は、高速増殖炉なしでも成立する核燃料サイクル(下記、注1を参照のこと)のシナリオをアピールし始めた。原発のプルサーマル運転、高速実験炉「常陽」(「もんじゅ」建設のためのデータ取得のために建設された高速増殖炉:原子力機構に属する:2007年に実験装置を大きく破損する事故を起こし、運転休止を余儀なくされた)の活用、フランスの高速炉研究への参加などで、原子力政策は破綻しないとしている。

 周知のように、昨年来再稼働された、川内、高浜、伊方の全ての原発で、再稼働前後にトラブルを起こしている。このことは、新規制基準が極めていい加減であり、規制委の審査がデタラメであることを物語っている。福島事故の終息の見通しも定(さだ)かでない。

 一方、青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場(下記、注2を参照のこと)は、欠陥だらけで、稼働延期が続いている。したがって、原子力への国民の信頼は地に落ちている(本来、原発は、人類の手に負えるものでなく、信頼できるものではない)。

 この上、トラブル多発の「もんじゅ」を存続させると、原子力への不信はますます拡大する。そこで、「もんじゅ」を切り捨てることによって、国民の信頼を取り戻して、原発再稼働、プルサーマルの推進、再処理工場の稼働への反発を緩和しようというのが、政府、規制委の狙いであろう。騙されてはなりません。

 なお、再処理事業は、電力会社にとっても重荷になっており、それからの撤退の動きがある。そこで、政府は去る5月11日、「再処理等拠出金法」を成立させ、電力会社が全ての使用済燃料再処理費を、拠出金として、新しく設置する認可法人に支払うことを義務付けた。何としても再処理事業を進めたい政府の姿勢が表れている。

 

5.なぜ安倍政権は再処理事業にこだわるのか

  -戦争できる国作りのため-

 

  安倍政権は、「戦争できる国づくり」を企んでいるが、戦争するには、自前のエネルギー源が必要である。

 しかし、日本には、石油や天然ガスがなく、戦争で海上輸送が絶たれたら、エネルギーを失う。そこで、原発を安定電源すなわちベースロード電源として、戦時下のエネルギーをまかなおうとしている。戦争になったら、事故が起ころうが、大量被曝しようが、原発を動かすであろう。

 そのとき、ウラン濃縮によるウラン燃料の製造より、化学分離によるプルトニウム燃料の製造の方が安上がりで大量製造にも適している(事故や被曝を考えなければ)ので、再処理事業に固執するのである。

 なお、プルトニウムは、人類が管理できない、手におえない元素であるが、戦時下ではそのようなことは無視される。このように、安倍政権は、現代と未来の人々の犠牲の上に、「戦争出来る国を造る」政策の一環として再処理事業を進めている。

 

(注1)核燃料サイクル

  原子力発電を維持するための核燃料の流れを核燃料サイクルという。ウランを鉱山から採掘して原子炉で使用するまでの工程(アップストリーム=上流と呼ぶ)と使用済み燃料を原子炉から取り出し、再処理し、その過程で出てくる放射性廃棄物を処理し、「もんじゅ」やプルサーマル炉で使用する工程(ダウンストリーム=下流と呼ぶ)で構成される。

 後者の工程に注目して「核燃料サイクル」と呼ぶこともある。核燃料サイクルには、税金と電気料金からすでに10兆円以上が投じられているが、再処理工場はトラブル続きで、稼働の延期が重ねられている。「もんじゅ」は廃炉せざるを得ない状況にある。

 

(注2)核燃料再処理

  ウラン酸化物核燃料が核反応する(燃焼する)と、燃料中には、各種の核分裂生成物(死の灰)、プルトニウム、マイナーアクチニド(ネプツニウム、アメリシウムなどのウランより重い元素:生成量は少ない)などが生成し、ごく一部のウランが反応した段階(大部分のウランは未反応のまま)で、原子炉の運転が困難になる。そこで、使用済燃料を原子炉から取り出し、新しい燃料と交換する。

 使用済核燃料の中には、核燃料として再利用できるウランとプルトニウムが含まれるので、それらを回収して、プルサーマル炉や高速増殖炉で燃料として利用しようとする過程が再処理である。

 使用済核燃料は、原子炉に付置された燃料プールで保管し、放射線量がある程度低下した後、再処理工場サイトにある貯蔵施設に運ばれる(日本では、青森県六ケ所村)

 再処理工程では、燃料棒を切断して、鞘(さや)から使用済燃料を取り出し、高温の高濃度硝酸で溶解する。溶解までの過程で、気体の放射性物質(ヨウ素や希ガスなど)が放出される。白金に類似した物質は溶け残る。

 溶解したウラン、プルトニウム、死の灰などを含む高濃度硝酸溶液中のウラン、プルトニウムは、これらの元素と結合しやすい試薬を含む有機溶媒を用いて取り出し(溶媒抽出)、さらに精製して核燃料の原料とする。

 この過程で、硝酸の分解ガスが発生し、爆発したこともある。また、死の灰などの不要物質が、長期保管を要する高レベル(高放射線)廃棄物として大量に発生する。その処理処分法は提案されているが問題が多い。保管を受け入れる場所もない。

 使用済核燃料は高放射線であるから、再処理工程の多くは、流れ系を採用し、遠隔自動操作で運転される。そのため、再処理工場には、約10,000基の主要機器があり、配管の長さは約1,300kmに及ぶ(うち、ウラン、プルトニウムが含まれる部分は約60km:継ぎ目の数は約26,000箇所)。高放射線に曝(さら)され、高温の高濃度硝酸が流れている容器や配管の腐蝕(とくに継ぎ目)、減肉(厚さが減ること:溶解槽で顕著)、金属疲労などは避け得ず、安全運転できる筈がない。

 長い配管を持つプラントは、地震に弱いことは容易にうなづける。すでに、2兆2000億円以上投入しているが、再処理工場は完成からは程遠い。

 使用済核燃料を再処理せず、燃料集合体をそのままキャスクに入れて、地中の施設に保管する「直接処分」の方が安全で、廃棄物量も少ないとする考え方もあり、アメリカはその方向であるが、10万年以上の保管を要し、これも問題山積である。

 

6.高速増殖炉による放射性廃棄物の毒性短縮と減容は荒唐無稽な、

  究極の国民だまし

 

  使用済み核燃料の中には、ネプツニウム、アメリシウムなどのマイナーアクチニド(MA)と呼ばれる核種(元素)が生成している(使用済燃料1tあたり1kg程度)。これらのMAはアルファ線を出し、重大な内部被爆を与え、半減期も極めて長いので厄介である。MAの毒性を天然ウランのレベルにするには2~3万年を要する。

 そこで、高速増殖炉を用いて、MAを半減期の短い核種に変換して、毒性の低減を図ろうという研究(妄想)がある。MAを100%核変換できれば、先述の2~3万年を約300年に短縮できるという皮算用である。高速増殖炉で得られる高速中性子を利用して、発電しながら核変換を行うというものである。

  しかし、MAの核変換消滅処理は、科学に疎い国民を騙す荒唐無稽な原子力ムラの生き残り策である。以下は、その理由のほんの一部である。

 ・MAを核変換して保管期間を300年程度にできるという話は、都合の良いデータのみをつなぎ合わせて得た予測である。とくに、「MAを100%核変換すれば」という仮定は成り立たず、実際には、100%どころか、数%も難しい。即ち、割合的には無意味で、廃棄物低減には全く繋がらない。

 ・核変換には、使用済燃料再処理によるMAの分離あるいは群分離(アクチニドをグループとして分離)が不可欠であるが、再処理工程は極めて危険で、運転は不可能に近い。膨大な費用も要する。

 ・MAを核変換しても、半減期の短い核種に変わるだけで、放射線は減らず、2つ以上の短半減期核種(速く崩壊するから放射線量は多くなる)に核分裂するのであるから、放射線量は、ずっと多くなる。

 ・プルトニウム・ウラン混合(MOX)燃料などにMAを混ぜて燃焼させた際の安全性の確保は極めて難しい(MAを核変換させるに適切な中性子の速度などの条件とMOXの燃焼の条件とは異なる)。