着情報 2019.11.13

【「桜を見る会」公金不正に新疑惑! 
  ケータリング業者は安倍首相と昭恵夫人のお友達だった 
  不自然な入札、価格も倍以上に】

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 これは安倍首相の税金を使った支持者接待、公的イベントの私物化ではないのか──。先週金曜に参院予算委員会で追及がおこなわれて以降、怒りが広がっている「桜を見る会」疑惑だが、きょうになって多くのワイドショーが「桜を見る会」疑惑を取り上げたことから、一気に政権を揺るがす問題へと発展しつつある。
 こうした流れに、安倍自民党も相当焦っているのだろう。たとえば、自民党の議員や関係者らは「桜を見る会」に参加した際に、安倍首相をはじめ自民党議員による後援会員の接待の場になっていることをブログなどで無邪気に「証言」していたが、ここにきてそうした投稿を削除する動きが加速。党から号令がかかったのだろうが、いまごろ削除しても時すでに遅し。むしろ「怪しい」ことを実証しているに過ぎない。
 そして、これまで“問題ない”という立場を崩さなかった菅義偉官房長官も、ついに本日夕方の定例記者会見で、招待客の選定基準の明確化について「検討する必要がある」と言い出したのだ。
 だが、今後の開催での見直しだけではなく、必要なのはこれまでの検証だ。安倍首相が数百人規模で地元後援会関係者を招待し、接待を繰り広げてきたとなれば、それは公費を利用した有権者の買収、つまり選挙法" class="tagLink">公職選挙法違反にあたる可能性があるからだ。
 さらに、今後の焦点となってくるのは、安倍首相による政治資金規正法違反疑惑だ。
 本サイトでは以前にいち早くお伝えしたが、「桜を見る会」の前日の夜には毎年、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」なる催しが都内の高級ホテルであるANAインターコンチネンタルホテル東京やホテルニューオータニで開催されており、ここに安倍首相も参加。この「前夜祭」参加者によると、会は立食式のパーティで、安倍首相や昭恵氏と記念写真を撮ったり、歌手が登場するなどの盛大なものであるらしい。実際、今年、出演した歌手はブログで〈シャンソン、ラテンに交えてオリジナル新曲も歌わせていただきました〉〈1000人程のお客様〉〈ハードスケジュールの中お一人おひとりに笑顔で丁寧に握手をされる安倍首相と昭恵夫人のお姿に感動致しました〉と、安倍首相と昭恵氏とのスリーショット写真付きで報告している。
 しかし、ここで問題になってくるのは、この「前夜祭」では複数の参加者が「しんぶん赤旗日曜版」の取材に対し、「5000円の会費を払った」と証言していることだ。政治資金規正法では「対価を徴収して行われる催物」は政治資金パーティーと規定されており、その収入や経費などは収支報告書に記載しなければならない。だが、安倍首相が代表の政党支部や関係する政治団体の収支報告書には、この前夜祭にかんする収支の記載がない。つまり、政治資金規正法違反の疑いがあるのだ。
 さらに、豪華絢爛な「前夜祭」の様子をみると、一人5000円の参加費だけで賄えているのか甚だ疑問であり、参加費で賄えていなければこれは供応にあたり、公選法違反ということになる。
「桜を見る会」という公的イベントを私物化し、税金を使って自分や妻の支持者やお友だち数百人規模で接待する一方、「桜を見る会」を利用するかたちで開催したパーティには違法の疑いまで──。まったく腐りきっているとしか言いようがないが、重大な疑惑は、さらにもうひとつある。

🔳 「桜を見る会」のケータリング代金が安倍政権の8年間で2倍以上に!

 それは、「桜を見る会」における飲食物の提供業務を内閣府と契約してきた企業をめぐる問題だ。
 じつは、安倍政権下での「桜を見る会」での飲食物の提供業務は「JCコムサ」という企業と契約。つまり、この7年間、1社の独占状態にあるのだ。
 5月24日の衆院内閣委員会での立憲民主党・初鹿明博議員の追及によると、この契約は一般競争入札ではなく企画競争入札という、企業が金額も含めて提案するというかたちによって結ばれているというが、その契約金額もうなぎのぼりになっているのだ。以下に示そう。
2013年  972万2000円
2014年 1349万8000円 
2015年 1349万8000円
2016年 1922万2208円
2017年 1920万円
2018年 2135万5312円
2019年 2191万3232円
 数字を見てもらえればわかるように、2015年度と2017年度は前年の据え置きあるいは微減しているが、この年はJCコムサのほかに別の会社も入札に参加していたという。つまり、別の会社が入札に参加したときはほぼ据え置き金額を提示しながらも、JCコムサだけが名乗りをあげた年はどんどん契約金額が上がっていっているのだ。
 たしかに「桜を見る会」の参加者数は2014年の約1万3700人から2018年には約1万7500人、2019年には約1万8200人にまで膨れ上がっているのだが、立食パーティの場合、通常は参加者の数が増えれば飲食費は安く抑えられるはずだ。しかし、「桜を見る会」の飲食費は跳ね上がりつづけ、参加者ひとり当たりに換算すると、2013年は810円が、2018年には1204円にまで値上がりしているのである。内閣府は企業の「言い値」を黙認してきたとしか思えない。

🔳 「桜を見る会」飲食提供会社社長の実弟と安倍首相・昭恵夫人のただならぬ関係

 だが、本題はここからだ。じつはこのJCコムサは、安倍首相・昭恵氏と深い関係にある企業なのだ。
 このJCコムサは、おもにピザの製造や「上海エクスプレス」などの宅配・外食事業などを展開する企業で、代表取締役社長である大河原愛子氏は厚労省の「女性の活躍推進委員会」や経産省の「男女共同参画研究会」、内閣府の「男女共同参画推進連携会議」の委員などを歴任してきた人物なのだが、安倍昭恵氏とも繋がりをもつ。
 たとえば、大河原愛子社長が代表をつとめる「食品業界女性経営者ネットワーク」が今年10月11日に帝国ホテルで開催した設立15周年記念会のパーティでは、昭恵氏が出席して祝辞を述べている。
 さらに、JCコムサの代表取締役CEOは愛子社長の夫である大河原毅氏が務めているのだが、毅氏は安倍首相と親交がある。安倍首相は2018年にリトアニアを訪問した際、日本の元外交官・杉原千畝の記念館を視察し、視察後に記者団に「杉原さんの勇気ある人道的行動は高く評価されています。同じ日本人として、本当に誇りに思います」などと述べたが、じつは、大河原毅CEOはこの杉浦記念館の修復活動に携わっており、この日、記念館で安倍首相を案内したのも大河原毅CEOだったという。
 しかし、この大河原夫妻以上に安倍夫妻と深い関係にあるのが、大河原愛子社長の弟で、JCコムサの取締役であるアーネスト・M・比嘉氏だ。
 比嘉氏は1952年生まれのアメリカ国籍の日系3世で、1985年にアメリカのドミノ・ピザの営業権を得て日本で事業を展開。2011年には日本を撤退したウェンディーズを再上陸させている起業家なのだが、じつは比嘉氏は安倍夫妻とは「友人」関係にある。
 事実、比嘉氏は昭恵氏のFacebookにもたびたび登場。たとえば、2014年2月23日に昭恵氏は〈今日は東京に戻り手話ダンスの練習 そして友人たちと楽しく美味しい夕食を楽しみました…〉と投稿し、1枚の写真をアップ。そこには安倍夫妻とにっこりと笑う4人の男女が写っているのだが、そのうちのひとりが比嘉氏なのだ。
 さらに、同年12月30日にも昭恵氏は〈友人たちと夕食〉と綴って写真を投稿しているが、そこでも安倍夫妻と比嘉氏の姿がある。昭恵氏が「友人」と綴っているとおり、投稿されたこれらの写真は皆が肩を寄せ合い、いかにも“気の置けない仲間”といった雰囲気で、その親密さが伺える。
 ちなみに、この2つの投稿をもとに首相動静欄を確認すると、〈5時58分、東京都渋谷区のレストラン「ビストロ・シロ」。昭恵夫人や友人と食事〉(2014年2月23日)、〈6時33分、ホテル内のすし店「六緑」で昭恵夫人や友人と食事。同ホテルに宿泊〉(同年12月30日)と、比嘉氏ら会食メンバーは「友人」とだけ記載されている。つまり、これら以外にも、安倍首相が比嘉氏と会食している可能性があるのだ。

🔳 安倍首相・昭恵夫人と「桜を見る会」飲食提供会社社長の実弟が写った写真にあの人物が

 実際、安倍首相がこの比嘉氏と会食したのではないかと疑われている日がある。それは、2015年4月1日。そう、愛媛県・今治市の職員と加計学園関係者が官邸で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)と面会した、その前日だ。
 この4月1日の動静では〈7時16分、東京・元代々木町のピザ店「エンボカ東京」。友人と食事。10時、東京・富ケ谷の自宅〉とある。この「友人」というのが加計理事長で、官邸での面会を翌日に控えて念押しのために会食していたのではないか。そんな臆測が広がっていたのだ。
 そのため、昨年4月11日の衆院予算委員会では「この日、誰と会食したのか」と野党側が追及。安倍首相は、こう答えていた。
「これは、元代々木のピザ店で友人と食事をしたわけでございますが、加計氏は入っておりません」
「これは、私のやはり古くからの友人の、日系のアメリカ人のご夫婦等々と食事をしたということでございます」
 つまり、安倍首相は「日系のアメリカ人ご夫婦等々」と食事したのであって、加計理事長とは会っていないと主張したわけだが、この「日系のアメリカ人ご夫婦」の「友人」というのが比嘉氏と妻ではないかとみられるのだ。
 安倍首相としては、「悪巧み」仲間ではなく、日系アメリカ人の友人たちと会食していたと言い張ることで、加計理事長がいなかったと証明したかったのだろう。しかし、これはさらに疑惑を深めるだけの答弁だ。
 というのも、じつは前述した2014年2月23日および12月30日の昭恵氏が投稿した写真に、安倍夫妻、比嘉氏とその妻と見られる人物とともに写っているのは、鉄鋼ビルディング専務の増岡聡一郎氏とその妻と見られる人物なのだ。
 増岡氏といえば、問題の2015年のクリスマスイブに昭恵氏がFacebookに投稿した「男たちの悪巧み」写真で、安倍首相や加計理事長らとともに写っていた人物である。その増岡氏も参加するかたちで、安倍夫妻は比嘉氏と交流をもってきたのである。こうなると、比嘉氏は増岡氏だけではなく加計理事長とも関係をもつ安倍首相の「友人」だった可能性も出てくるだろう。
 安倍首相は疑惑の2015年4月1日に、はたして比嘉氏と会食していたのか。そしてそこに加計理事長はいなかったのか──。疑惑は尽きないが、ともかくはっきりと言えることは、安倍首相が主催する「桜を見る会」で飲食提供事業を独占し、契約価格が約1200万円も吊り上げられてきたのは、安倍首相と深い関係をもつ「お友だち」企業であるということだ。
 安倍後援会が催してきた「桜を見る会前夜祭」の金の流れはもちろん、この独占企業の「お友だち」優遇疑惑についても、徹底した追及が必要だ。
(リテラ編集部の記事より転載しました。) 梁取洋夫さんFBより

 

着情報 2019.11.12
「福島原発事故による放射能放出量は決して“わずか”ではありません。大気中放出量はセシウム137ベースで日本政府の推計で、広島原爆168.5発分に相当します。つまり、東京オリンピックは、チェルノブイリの汚染地区やネバダ核実験場とその近郊でオリンピックを行うに等しいと言われています」(村田光平元駐スイス大使・東海学園大学名誉教授2019-10-17「Net IB News」)

福島第一原子力発電所事故から8年が経ちました。自公維政権は、まるで、原発事故などなかったように、福島の人たちを切り捨て、東京オリンピックを開催しようとしています。大手メディアも、政権の意志を忖度し、「福島帰還」を奨励し、「東京オリンピック万歳!」の提灯記事を垂れ流しています。

福島第一原子力発電所事故は収束していません。オリンピックなど出来る状況ではないのです。...

村田光平元駐スイス大使・東海学園大学名誉教授が「Net IB News」のインタビューに応じて、「福島原発の事故処理が収束しない状態で東京オリンピックを開催するのは人倫にもとる」と発言されています。以下に、「Net IB News」のインタビュー記事を御紹介します。長文ですが、是非御一読下さい(記事中の写真は割愛させて頂きました)。

■以下、「Net IB News」の記事の転載(コピペ)です。

2019年10月17日 17:12
「放射能でおもてなし?」~安全性を疑問視する国内外からの声が急増!(1)

7月25日にアメリカの雑誌“The Nation”が掲載した「福島でのオリンピックは安全か?現地を訪れてわかった原発事故の重大な影響は終わっていない」という記事が大きな反響を呼んだ。日本では、なぜかほとんど報道されないが、今ものすごい勢いで世界が危惧する「放射能五輪」の声が増大し始めている。福島原発問題が終わっていない(under controlではない)ことは今や海外では常識となった。一貫して人道的立場から「放射能五輪」に警鐘を鳴らし続けている、村田光平 元駐スイス大使・東海学園大学名誉教授に聞いた。

◇すでにすべての材料は、この26分のなかに、出揃っている

東京地方裁判所は19日、福島第一原子力発電所の事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で起訴されていた東京電力の旧経営陣3人に無罪判決を言い渡した。この裁判は、福島第一原発事故をめぐって開かれていた唯一の刑事裁判。

福島第一原発は東日本大震災による巨大津波に見舞われ、原子炉3基がメルトダウン。これを受け、47万人以上が避難した。勝俣恒久元会長(79)と武黒一郎元副社長(73)、武藤栄元副社長(69)の3人は、巨大津波への対策を怠り、44人を死亡させたとして業務上過失致死傷罪に問われていた。

――9月19日には、司法の歴史に大きな汚点を残しかねない「福島原発事故の東電旧経営陣に無罪判決」(東京地裁)が出ました。先生はこの判決をどうご覧になられましたか。

村田光平氏(以下、村田) 河合弘之監督(映画監督/弁護士・脱原発弁護団全国連絡会共同代表・小泉純一郎元総理の脱原発活動を支える原自連の事務局長)の短編映画「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」(YouTube:『短編映画「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」YouTubeで公開!』で公開中)を見ていただければ、先日の裁判結果がどうであれ、最終的には、間違いなく、被告3人は「クロ(有罪)である」ことが判明します。すべての材料は、この26分のなかに、すでに出揃っているからです。闇に葬られかけた津波対策計画の動かぬ証拠の数々が解析され、いかなる経緯で対策が握りつぶされたのかが詳細に描写されています。

被告人である東電元役員3名が事故の原因である巨大津波を予見し、津波対策工事を計画していながら、「経営悪化を恐れて対策自体を握りつぶした大罪」を、今回司法は許しました。しかし、この無罪判決には多くの国民から「彼らが無罪であるのなら、その責任は誰にあるのか」と非難の声が挙がっています。今全国各地で、東電に対し原発事故の避難者によって民事訴訟が約30件提起され、すでに12件の一審では、いずれも東電に対しては賠償を認める判決が出ています。

◇関電で原発への信頼を根底から揺るがす事実が発覚した

この判決は、奇しくも今の日本に「倫理・道徳」が失われてしまっていることを白日のもとに曝け出しました。何が善で、何が悪かという概念の見極めができなくなっています。

この結果に、落胆し「何を言っても仕方がない」と思われている方も多いと思います。しかし、私は「最大の権力の最大の敵は“倫理・道徳”である」と確信しています。今後間近に起こるさまざまな出来事の展開で、世論も含めて大きく変わってくるでしょう。

すでにその兆候がどんどん出始めています。最近では「電力業界2位の西の雄で、関西経済界を代表する、関西電力の岩根茂樹社長ら役員20人が、高浜原子力発電所が立地する福井県高浜町の助役森山栄治氏から総額3.2億円相当の金品を受け取っていた」ことが判明し、内外に衝撃を与えております。老子の「天網恢々疎にして漏らさず」が改めて実感されます。

岩根茂樹社長は、大手電力10社でつくる電気事業連合会(電事連)の会長でした。関西電力は膨大な人材とコストをかけて原発再稼働に邁進し、原発7基が原子力規制委員会の安全神話をクリアーし、うち4基で再稼働をはたしていました。その関電で原発への信頼を根底から揺るがす事実が発覚したのです。鳩山友紀夫元総理はツイッターでほかの電力会社でも「大同小異」のことが行われていると指摘されております。

国民の反対する不道徳・無責任な再稼働が実施される背景が衝撃的に露見しました。再稼働中の9基の原発の運転停止の実施は緊急課題となりました。

◇バッハ会長によってオリンピックの存立が問われだす

私は、すでに「原発消滅のカウントダウン」は始まったと考えています。そして、そのハイライトが「東京オリンピック」です。「原子力緊急事態宣言が解除されない」状況下でオリンピックなど本来は問題外のはずです。「放射能五輪」の開催を許すのであれば、日本だけの問題では済みません。連日押し寄せる各国からの福島原発「再検証」の要求を無視し続ける国際オリンピック委員会(IOC)のThomas Bach会長の対応振りによって「オリンピック」の名誉が脅かされております。

◇収束からはほど遠く、事態の悪化すら懸念されている

――長い目で見れば、「オリンピック」そのものの存在意義が問われているのですね。ところで、最近はたまにしかマスメディアでは報道されませんが、今福島はどんな状態にあるのでしょうか。

村田 現在の福島原発の状況は収束からほど遠く、事態の悪化すら懸念されている状況です。最も憂慮されるのは、倒壊が懸念される排気筒の問題です。もし倒壊すれば広島原爆以上の放射能の流出が懸念され、東京も住めなくなると言われております。同排気筒はすでに数カ所に損傷があり、原発敷地内の屋外で最も放射線量が高い所にあるため、遠隔操作で解体工事が進められておりますが、すでに3度も工事の延期を余儀なくされております。巨大台風、竜巻などの天災の襲来が深刻に懸念されており、緊急な対応が求められます。

アメリカの原子力専門家のアーニー・ガンダーセン氏は、実験の結果、4号機に格納されている燃料を覆っているジルコニウムは空気に触れると火災が生じると主張しておりました。幸いなことに細川護煕元総理までがその危険性を訴えられるほど内外の世論は盛り上がり、4号機の燃料棒は2017年末までに取り出され、最悪の事態は避けることができました。しかし、同じ問題が1号機から3号機まですべてにあります。しかも、これらは、放射線量が高く手が付けられない状況にあり、4号機よりも事態ははるかに深刻なのです。

◇水蒸気の放出や閃光など、再臨界を傍証するような現象

私が最も心配しているのは、福島原発での再臨界の可能性です。

この点については、『週刊プレイボーイ』(2018.5.4)が「CTBT(包括的核実験禁止条約)に基づき『日本原子力開発機構』が群馬県高崎市に設置した高感度の放射性核種監視システムには、昨年(2017年)12月から福島第一原発の再臨界を疑わせる放射性原子、ヨウ素131とテルル132が検出され続けている」と報じています。また、水蒸気の放出や閃光など、再臨界を傍証するような現象がいくつも伝えられております。国民の不安に対応するための関係当局からの見解発表が待たれます。

福島原発事故による放射能放出量は決して「わずか」ではありません。大気中放出量はセシウム137ベースで日本政府の推計で、広島原爆168.5発分に相当します。つまり、東京オリンピックは、チェルノブイリの汚染地区やネバダ核実験場とその近郊でオリンピックを行うに等しいと言われています。とくに野球、ソフトボールが行われる「福島あずま球場」には、セシウム137ベースで、最大6176.0Bq/kgの土壌汚染があります。この数値は、チェルノブイリ法での避難権利区域にあたり、しかも強制避難レベルに近い水準なのです。

◇「福島でオリンピック?気が狂ったのか」が上映された

――今「東京オリンピック」の安全性を疑問視する国内外からの声が急増しています。

村田 今のところは、安全性を疑問視する声は海外からの声が大きいのが現状です。しかも、今年に入って急増しています。IPPNW(核戦争防止国際医師会議)は昨年“The 2020 -The Radioactive Olympics”という声明を発表し、東京オリンピックで野球やソフトボールの試合が福島で行われることを批判しました。IPPNWは医師の立場から核の脅威を研究し、核戦争に反対する組織で、1985年にノーベル平和賞を受賞しています。

今年になって、5月26日にはカリフォルニア州バークレー市の公立図書館で、No Nukes Action Committee(サンフランシスコの反原発団体)によって、「福島でオリンピック?気が狂ったのか」が上映されました。

7月25日には、アメリカの有力雑誌“The Nation”が掲載した「福島でのオリンピックは安全か?現地を訪れてわかった原発事故の重大な影響は終わっていない」という記事が大きな反響を呼びました。この記事では、現地を訪れた外国人記者たちが具体的な放射線量の数値を挙げながら福島の現状を描き出し、福島は安全ではないとしています。

同じく、アメリカの雑誌“Scientific America”も安倍総理が福島原発事故を国民から隠すことによって、公衆衛生は危険にさらされ、とくに放射線の受けやすい子どもたちが危険な状況に置かれている旨を指摘しています。

7月23日には、五輪反対運動を展開している世界の活動家が外国人特派員協会で記者会見を開き、五輪は中止すべきだと訴えました。会見に出席したのは、米国のサッカー五輪代表選手で、「オリンピック秘史~120年の覇権と利権」を執筆した政治学者のジュールズ・ボイコフ パシフィック大学教授ほか3名です。

◇「日本は言論の自由が制限されているのではないか」

ごく最近では、ドイツのドルトムントで9月14日‐15日の2日間、東京オリンピック・パラリンピックの報道に対して、「東電福島原発事故による危険性や被災者の声を黙殺しないで欲しい」と求める、大掛かりな日独共同会議が開催されました。

科学者、教育関係者や環境保護団体、国際医師団体、脱原発市民団体など、日本人を含む約50人が参加しました。同会議では、日独の有識者や市民団体からの現状報告と同時に、政府によるメディアへの圧力が強まっているとされる日本に「言論の自由が制限されているのではないか」との危惧も表明されました。

◇アスリートや観客・観光客に放射線被爆の危険性を警告

日本国内の動きとしては『東京五輪がもたらす危険‐いまそこにある放射能と健康被害』(東京五輪の危険を訴える市民の会 編著、編集 渡辺悦司、 緑風出版)が9月に出版されました。

ここには、東京オリンピックの危険を警告し、開催に反対する科学者・医師・避難者・市民など25名の傾聴に値する声が載っています。東京オリンピックの開催が、参加するアスリートや観光客にもたらす放射線被曝の恐るべき危険性を警告するために緊急出版されたのです。

東京オリンピックへの福島原発事故の影響は「アンダーコントロールされており、東京には、いかなる悪影響にしろ、これまでおよぼしたことはなく、今後ともおよぼすことはありません」という安倍首相の発言が、いかに誤りであるかを科学的に明らかにしています。

この本に書かれている真実はオリンピックが近づけば近づくほど、無視できないものとなり、「安全性の保証」を求めるとともに、ボイコットを表明する国、団体、選手が増えてくることは間違いありません。

日本政府は現在、事故原発内に溜まり続ける「処理済み」のトリチウム汚染水(トリチウムは除去にコストがかかるので処理されていない)の海洋投棄を、地元住民の反対を押し切って、オリンピックが始まるまでに開始しようとしています。トリチウムは半減期が12年と長く、長期にわたって環境を破壊します。生体の大部分を、さらに遺伝子をも構成する水素の同位体であるので、希釈して投棄しても安全とはいえません。そのトリチウムの危険性は、小柴昌俊先生(ノーベル物理学賞受賞者)や長谷川晃先生(元米国物理学会・プラズマ部会長)などによってすでに指摘されています。

両先生は2003年3月に小泉総理に提出した国際核融合実験装置(ITER)誘致反対の嘆願書のなかで「トリチウムはわずか1mgで致死量とされる猛毒で、ITERのなかに貯えられる2kgのトリチウムは200万人の殺傷能力があります」と指摘されております。

「処理済み」というのはまったくの虚言でありストロンチウム90を含むいろいろな放射性核種に深刻に汚染されていたのです。オリンピックで訪れる世界のアスリートと観客・観光客を「放射能でおもてなし」しようとしていたと糾弾されかねません。

◇オリンピックを返上、福島事故の解決に最大限の力を注

――先生は、終始一貫、「人道的立場」から、「放射能五輪」開催に警告を発し続けておられます。人道的とはどういう意味でしょうか。

村田 最近は、関電を初め、目に余る不祥事が続き、またオリンピック開催も近づき、より多くの人に、真の危険性を知っていただきたい余り、少し発言が過激になってしまうこともございますが(笑)、私の訴えはあくまでも人道的立場に基づくものです。人道的とは「人として守り行うべき道にかなうさま」のことを言います。

先ほども申し上げましたように、現在の福島の状況は収束からは程遠く、事態の悪化すら懸念されております。このような時に、「人として守り行うべき道にかなうさま」とは、はっきりしております。日本がすべきことは、東京オリンピックを返上し、福島事故の解決に最大限の力を注ぐことです。

ところが今の動きはまったくベクトルが逆を向いています。「反人道的」と言っても過言ではありません。危険極まりない「復興五輪」が政治の中心に据えられ、オリンピック競技(福島では、野球、ソフトボール、サッカーが行われる)が汚染地域で設定されています。すなわち、危険な放射能環境で開催されることを知らずに日本にやってくる世界の人々は放射線被爆に晒される可能性が強いのです。

また、オリンピック選手村では、約1,500万食分の食材は福島県をはじめとする3.11原発事故被災3県の食材を優先的に提供し「復興五輪」をアピールすると日本オリンピック委員会は発表しています(2018.7.24 読売新聞夕刊)。しかし、2019年3月19日現在、アメリカは福島の野菜など14の県の食品を輸入停止しているのをはじめ、8つの国が日本の食品の輸入規制を続けています。また、EU各国など多くの国で、日本からの輸入食品には、政府作成の放射性物質検査証明書を要求しているのです。

今、被曝被害が「ない」といくら政府が強調しても、人々が被曝被害と思わざるをえない現象が次から次へと現れてきています。そこで、被曝の安全性をアピールするために、子どもや若い夫婦から始まって、政治家、著名人、有名スポーツ選手、有名歌手、有名タレントなどが、次々と被曝リスクの高い、福島関連イベントに動員されています。

このような動きに対して、先に登場したアメリカの原子力専門家のアーニー・ガンダーセン氏は「日本政府が、東京オリンピックの開催によって、『すべては正常である』という虚像をつくり出すために人々をこのように被曝させることの重要性」を鋭く指摘しています。

日本政府はもともと最小限に設定された避難地域を、懸念すべき被曝状況が続いているにも拘わらず、次々と無謀にも解除し、住民を帰還させる方針を進めています。そのために、5万人ともいわれる避難者も次々と住宅補償などを打ち切られました。

国際的には、放射能災害があった場合に住民は、自然放射線を除いて、年間1ミリシーベルトしか放射線を被曝してはいけないと規定されています。しかし、福島の帰還政策により、帰還を促された地域では、住民は20ミリシーベルトまでの被曝を我慢するように求められています。このように、被曝被害「ゼロ」論キャンペーンは、自殺的あるいは自滅的な本質をもっています。

◇天地の摂理は、不道徳の永続を決して許しません

――時間になりました。最後に、読者にメッセージをいただけますか。

村田 今、東京オリンピックと原発は表裏の関係にあります。原子力緊急事態宣言が解除されない」状況下でのオリンピックなど本来は問題外のはずです。それでもビジネスイベントとしてのオリンピックに投資し、特需を仕掛け、目先の経済拡大効果を優先し、参加選手・関係者・観客が被曝することは承知の上で、健康的マイナスには一切目をつぶることに、国際オリンピック委員会(IOC)も日本政府も大きく舵を切ったのでしょうか。

私は直面する危機への真摯な対応を促す意味で、国際オリンピック委員会(IOC)のThomas Bach会長と安倍晋三内閣総理大臣に書簡をお届けしました。

私の持論ですが、天地の摂理(哲学により究明される歴史の法則)は不道徳の永続を決して許しません。現に、不道徳を象徴した「新国立競技場」建設は白紙撤回に追い込まれました。

想像を超える“福島の苦しみ”を忘れさせる不道徳な東京オリンピックからの「名誉ある撤退」こそ、日本にとって唯一残された、そして最も適切な選択なのです。

福島の教訓は「経済重視」から「生命重視」への移行です。女性がその担い手となって動き出すことが期待されます。そして、今こそ日本に、そして世界に、再び「倫理・道徳」を取り戻すチャンスと私は考えています。2008年以来訴えている国連倫理サミットの開催を改めて求めてゆく所存です。読者の皆さまにも、このことをご理解いただき、引き続きご支援を賜れれば幸いです。
(了)【金木 亮憲】

<村田光平氏プロフィール>
1938年東京生まれ。1961年東京大学法学部を卒業後、2年間外務省研修生としてフランスに留学。その後、分析課長、中近東第一課長、宮内庁御用掛、在アルジェリア公使、在仏公使、国連局審議官、公正取引委員会官房審議官、在セネガル大使、衆議院渉外部長などを歴任。96年より99年まで駐スイス大使。99年より2011年まで東海学園大学教授。現在、日本ナショナル・トラスト顧問、日本ビジネスインテリジェンス協会顧問、東海学園大学名誉教授、天津科技大学名誉教授。著書として、『新しい文明の提唱‐未来の世代へ捧げる‐』(文芸社)『原子力と日本病』(朝日新聞社)『現代文明を問う』(日本語・中国語冊子)など多数。

(以上、「Net IB News」の記事の転載おわり)

再度、言います。東京オリンピックの開催など無理です。

国は、福島第一原発の事故処理に真面目に取り組むべきです。人々が毎日安心して楽しく暮らせる平和な社会が担保されない国は国とは言えません。

私たちは、現実をしっかりと見据え、普通に考えてオカシイものはオカシイと堂々と言い、日本を再生しなければなりません。

(註1)インタビュー記事のURLはhttps://www.data-max.co.jp/article/32066です。
(註2)添付画像は「週刊現代2012-6-16号」に掲載されたもの。