ミナトさん (ペンネーム)

南海トラフ地震起こす「ひずみ」 初の実測分布図を公開!

 これは画期的な測定だ。
 南海トラフ周辺の歪み量が初めて実測で図書されたのではないか。
 調べると、以下の論文(Letter)だった。「Letter」なので「査読無し速報」である。 「Letter  Seafloor geodetic constraints on interplate coupling of the Nankai Trough megathrust zone Yusuke Yokota, Tadashi Ishikawa, Shun-ichi Watanabe, Toshiharu Tashiro & Akira Asada Nature (23 May 2016) | doi:10.1038/nature17632」
 「南海トラフ巨大圧力帯に於けるプレート間結合と海底歪み測量」と訳しておく。
 横田ゆうすけ・石川ただし・渡辺しゅんいいち・田代としはる・浅田あきら。

 

【海中での測位方法が要】  そこで測定方法だが、従来「海底に設置した測定器」で測定できるのは、振動(海底地震計(速度・加速度))・音響(ハイドロ・フォン)・電位差(電圧計)・地磁気(磁力計)・潮流流速(MHDから推定)だけであり、「移動量」を求めることはほとんど不可能だった。

 それは、海底に設置した測定器の三次元位置は、陸上からも船上からも遠く、その間に「厚い海水層」があるためである。
 これが「空気層」なら、GPSなどの「電波を使用した測位」が用意に行える。

 一方海水の場合、従来は、
 (a)GPS利用で、海面上の船の三次元位置を求める。
 (b)船は波・風・潮流で瞬時も定位ししていない。
 (c)船と「海底の計測器」の距離・方位を「超音波」の伝搬遅延時間で測定する。
 (d)これを年に何回か実施すれば、(e)年間の海底移動量が求められる。
 しかし、(b)(c)が最大の問題で、ある短時間に精密に測位した船の位置が判っていても、その瞬間に「船舶→海底」へ発射した超音波パルスと、測定器が自動応答(トランスポンダ)で応答発射する超音波パルス「海底→船舶」は、「海水層」という時々刻々と変化する媒体を通過してくる。
 海水中の音速(*1)(*2)は、大気中の音速(約340[m/s])より約4.5倍の約1500[m/s]だが、海水温・海水密度(主に塩分が支配)・視線方向流速成分(潮流)で変化する。

 しかも水深1000[m]の海底では、音波の応答が返ってくるまでに1000[m]*2/1500[m/s]≒1.33[s] もかかる。この間にも船は波・風・潮流で位置が変化している。

 こういう状況下で、年間数センチの海底移動を測定するには、それより1桁精密な測定([mm]単位)が最低でも必要になる。
 地上・水上でのGPS測位では、「ディファレンシャル法」と「キネマティック法」を用いれば可能だが、超音波の方に問題(限界)がある。
 しかも水中音速は、各深度(層)ごとに異なり、地域・季節・時刻の影響も受けるのだ。

 

【最新の世界各地点の水中音速分布は軍事データ】  もしこれらの詳しいデータが無いと潜水艦航行(航行・索敵・攻撃・待避(温度逆転層下に隠れる))も潜水艦探知も行うことができない。

世界の海軍大国(米英露仏伊日ノルウェー+中国)が、そろって「海洋観測艦」で海中データを測定し続けている理由がこれである。

 

>「水温0?2℃塩分分2?3の範囲では,CDTの深度測定誤差が差が%未満であるのに対して,音響測深機の水深測定誤差は最大 4%に達する。」(*1)


 >「音響測深機の水深測定誤差は最大4mに相当し,音響測深機による水深を基にして海底からの高さを正確に把握した観測を行うことの難しさを示している。」(*1)
>「各々の誤差をT?Sダイアグラム上に示して両者の大きさを比較し,音響測深機は必ずしも正確に測深していないことを明らかにした。」(*1)

 もし1000[m]の水深で、上記のように「最大誤差4%」なら、距離誤差は最大40[m]にも達し、海底が40[m]以上年間移動しているならまだしも、音響測位だけ では、測定不能であることが判る。

 年間数[mm]の海底移動を計測するには、この「海底ー船舶」間の距離測定を高精度にすることが必須である。

 

レーザ利用で克服か?】  そこを「今回の計測で(水中測位誤差を)どうやって克服したのか」に関心がある。彼らはどうやったのだろうか。
 抄録に「レーザ」という語があるので、「船舶←→海底測定器」間の距離測定を「青色/緑色レーザ」で行った可能性がある(水中では青・緑の光の減衰が小さい)。

 船舶側には装置の大きさ・電源に制約は少ないが、海底測定器側の電源制約をどうしたのか。

 海水中では、光の散乱・吸収が大きいので、相当大きな光出力で送信しないと、船まで光信号が届かないことになるからだ。

 恐らく「半導体大出力レーザ」を「パルス・モード」で使用して節電していると思われる。

 しかし、さらに難しいのは、「海底側計測器」の「高さ変化」を測定するのが主ではなく、「水平移動」に観測意義がある点だ。

 たとえば、1000[m]離れた地点の水平移動を数[mm]単位で測定しなければ意味はないのだ。これはかなり難しい事である。船を移動させ、最低2ー3点から、海底側計測器への「斜め距離」を測定し、前回測定値と比較し、「水平移動量」を求めるしかないであろう。

 なぜなら、仮にまる1日同じ場所に船がとどまって(DPSという自動船位保持システムがないと不可能)いても、その間に海底は、わずか  40[mm/y]/360[day]=0.1[mm] しか移動しないからだ。
 それを2ー3地点から行わなければ、海底位置は求まらない(これで2ー3日。)そして、1年後にもう一回測定しなければならない(合計4ー6日)。  なかなか大変な計測と推定される。

 


       :              : 
       :              : 
    GPS測位1        GPS測位2 
───<船位1>─────<船位2>─海面─ 
   斜距離1\        /斜距離2 
      水深  \     / 
        │水平\ /計測器 
─────┴距離─▲────────海底─ 
///////////////////////////////////////// 
<図1>斜距離と水深から水平位置を求める 
 
      <船位1>    <船位2> 
           \     / 
             \ / 
              ▲ 
              │ 
              │ 
           <船位3> 
<図2>3組の斜距離と船位から計測器 
 の水中3次元位置を求める(球面三角法) 

 

では、『Nature』本文が読めるか挑戦してみる。 「nature.com からエラーが返されました。Unauthorized (401)」  残念、「非承認で」読めない。だが、エラーにも関わらず、抄録だけはなぜか読むことができた。しかし本文は不能。  「Read the full article Subscribe to Nature for full access: $199」→「Nature全文アクセスには199ドル(約2万0000円)」  「Purchase article full text and PDF: $32」→「記事全文とPDFは32ドル(約3200円)」  「有料論文検索サービス包括契約」をしてある機関に出向き、読むこととする(一部の公立図書館・理学工学系大学図書館)。  しかし、なぜ税金で運用する海保の「成果物」を日本国民が無料で読む(利用)ことができないのか。これは問題ではないか。 160524火13:40 *1:P159-168 - 日本海洋学会(Adobe PDF)

- htmlで見る http://kaiyo-gakkai.jp/jos/uminokenkyu/vol22/22-5/22-5-kido.pdf
海の研究(OceanographyinJapan),22(5),159-168,2013. 要旨.  海水中の音速は水温・塩分と圧力によって決まる。しかし,海洋観測の基本情報である水深の一般的な測定方法である音響測深では,通常,音速を一律に1500m s?1として水深を決定しているために,必ずしも正しい水深を得ているわけではない。この曖昧さが,「海底からの高さ」が重要な沿岸海域における海底近傍の研究の大きな障害になっているものと思われる。本稿では,音速を利用した音響測深機の水深測定と圧力を利用したCTD(多筒採水器を含む)の深度測定,各々の誤差をT?Sダイアグラム上に示して両者の大きさを比較し,音響測深機は必ずしも正確に測深していないことを明らかにした。
 すなわち,水温 0?25℃塩分25?35の範囲では,CTDの深度測定誤差が1%未満であるのに対して,音響測深機の水深測定誤差は最大4%に達する。例えば,簡単のため水深 100mで鉛直的に均質な水柱を考えると,海底近傍では CTDの深度測定誤差が採水器の長さ程度の1m以内であるのに対して,音響測深機の水深測定誤差は最大4mに相当 し,音響測深機による水深を基にして海底からの高さを正確に把握した観測を行うことの難しさを示している。その対策として,着底させることで不確かな水深測定に関係なく海 底直近までの機器測定と,正確な高さでの採水が行える海底直上採水システムを提案し,その概略を紹介した。また,試験運用結果から,この方法によって観測することができた海底近傍における濁度・溶存態無機窒素・溶存酸素濃度の急勾配の変化の一例を示した。キーワード:音響測深の誤差,海中の音速,海底からの高さ,海底直上採水システム(後略)
*2:海水中における音速度の測定と補正 - 海上保安庁 海洋情報部(Adobe PDF) - htmlで見る http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/report/tbh20/tbh20-13.pdf しかし,海水中での音速度は,水温,塩分,水圧(深度)により影響を .... また,1938年には,「海水中における音波の速度及湖l j深音速の計算法,通称桑原表と昨ばれる音速度計算法が発表されこ. .... sing-around方式による水中音速度計

*3:高精度計算サイト 海水中の音速 http://keisan.casio.jp/has10/SpecExec.cgi?path=05000000.%95%A8%97%9D%8C%F6%8E%AE %8FW%2F03000100.%89%B9%81E%8C%F5%2F10000400.%8AC%90%85%92%86%82%CC%89%B9%91%AC%2 Fdefault.xml  海水中の音速は水圧、温度、塩分濃度によって変化し、Del Grossoの式または UNESCOの式で求めています。 海水温度は水深1000mで4℃、3000m以深では2℃とみなしています。また塩分濃度は一定と仮定しています。 ===================== http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160524-00000008-asahi-soci 南海トラフ地震起こす「ひずみ」 初の実測分布図を公開 朝日新聞デジタル 5月24日(火)0時28分配信 南海トラフ周辺のひずみの分布図 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160524-00000008-asahi-soci.view-000  南海トラフ巨大地震を引き起こす、海側のプレートが陸側に入り込んで蓄積された「ひずみ」の分布図を海上保安庁が作製した。海底の観測器による実測値を初めて使った図で 、想定以上の大きなひずみも確認されたという。地震や被害の規模の詳細な予想に役立ちそうだ。

 24日、英科学誌ネイチャー電子版に論文が掲載された。海保では2000年度から観測器を海底に置き、ひずみがたまる陸側と海側のプレート境目の動きを測定。南海トラフ 沿いの15カ所について、06年度から15年度の動きを分析した。  その結果、陸側プレートに置いた観測器が海側プレートの沈み込みとともに年間2~5・5センチ移動。動きが大きい場所ほどひずみも大きかった。ひずみの場所はほぼ、政府 が南海トラフ巨大地震の震源域として想定する範囲内。ただ、南海トラフ巨大地震の一つ東海地震の想定震源域の南西側にあたる愛知県沖や、1940年代に起きた二つの大地震 の震源域から南西側に延びる四国沖にも、大きなひずみが広がっているのを確認した。  ひずみの分布と地震の詳細な関連性はわかっておらず、海保の横田裕輔・海洋防災調査官付(測地学)は「過去の履歴にない強いひずみが見つかった。今後、地震の評価に役立 ててほしい」と話している。  名古屋大の鷺谷(さぎや)威(たけし)教授(地殻変動学)は「陸からの分析ではわからなかった部分を明らかにした意義は大きい。今後、地震への影響や被害想定について研究を進める必要がある」と話している。(野中良祐)

 

朝日新聞社 【関連記事】 静岡)焼津市沿岸部で「海底地滑り」発生と推定 兵庫)湯沸かし設備を熊本の被災地へ、夢創造の会 駅で待ち伏せ「2~3時間」 アイドル刺傷容疑者が供述 パトカー巡回中に物損事故、上司が立ち去り指示 滋賀 被害者の父「絶歌出版は加害行為」 神戸児童殺傷19年 最終更新:5月24日(火)10時17分


 

 

九電の大型揚水発電所が現在運転停止中、これは、まずいことになる!


九電の大型揚水発電所(*1)が現在運転停止している。これは、九電の3大揚水発電所だ。ほかに天山揚水発電(九州北部)とほかに1つ大型揚水がある。

 これらが停止するとかなりまずいことになる。

 

 それは、九州南部での「ブラック・スタート」が不可能になるからだ。

 

 広域停電が発生した場合、電力網の復旧は、次のように行う。

 広域停電は、必ずしも「破損」で発生するのではなく、故障で大型発電所や、変電所が「脱落」した場合にも発生する。

 発電所から供給可能な電力が減少しても、消費電力が減少しない場合、つぎのようなことになる。

 (1)各発電機の負荷が重くなる。

 (2)すると、発電機を回転させる、火力・水力の力には限りがあるから、回転数が遅くなり、電圧も低下する。

 (3)周波数が低下した場合、火力発電所の蒸気タービン、ガス・タービンは、高速回転しているが、「危険周波数」というものがある。

 これは、回転子のブレードという多数の「動翼」は、各段毎に「共振周波数」を持っている。一定時間以上在る回転数のままだと、共振で振動が大きくなり、回転子の動翼が共振で引きちぎられ、タービンのケースを突き破って大破損を引き起こしてしまう。

 そういった事態を避けるために、タービンは定格周波数(関西では60[Hz])では、の共振が起こらないようにしてある。しかし回転数が下がると、この共振周波数を通過する。だから、タービンを起動し増速するときと、減速し停止するときがもっとも危険だ。素早く軌道・停止をし、ほんの短時間しか(複数在る)「危険回転数」に留まらないよう制御している。

 

 周波数が重負荷により下がってくると、タービン保護のために、その発電機は「解列」し、系統から切り離す。

 

 すると残っている発電機群の負担が更に大きくなるから、更に周波数が下がり、またどこかの発電機が、「解列」される。

 こうして、十数秒間で、次々発電機が「解列」され、広域停電が発生するのだ。約2.5[Hz]周波数が低下すれば、もはや広域停電は免れない。イタリアでもこの理由で広域停電が発生した事例がある。

 

【ブラック・スタート】概要

 

 (1)各電気所・送電線の「健全性」を遠隔計測・電話による報告などで確認する。

 (2)大型揚水発電所で発電スタート(50万[kW]級)。周波数が安定したら、幹線に接続。

 (3)水力発電所をスタート。揚水発電所の電力に、周波数・位相にぴったり同期させたところで、系統に接続。

 (4)火力発電所を外部電源でスタート。その周波数・位相にぴったり同期させたところで、系統に接続。

 (5)原発の健全性を確認してから、外部の基準周波数・位相にぴったり同期したところで、系統に接続(1基で80ー100万[kW])。

 

 それらの「ブラック・スタート」は、(一部の例外を除き)「火力発電所からは開始できない」のだ。どうしても大型揚水発電所からスタートせねばならない。

 その大平揚水が現在停止中だ。この重要性は報道されていない。

 

 玄海原発が含まれる九州北部は、「天山揚水発電所」が核になり、ブラック・スターとされるはずだ。

 

「熊本・竜宮滝発電所」(*2)これは、わずか200[kW]だから、小さな町に給電する規模。

 

「横野発電所」(*3)

 

*1大平揚水式発電所 平成26年4月 全4ページ:http://www.kyuden.co.jp/company_pamphlet_qbook_plant_hydro_ohira.html

大平揚水式発電所は、九州にある3か所の揚水式発電所の中で1番目にでき、昭和50年12月に出力50万キロワットで営業運転を開始しました。

揚水式発電所は電気を水の形で貯めています

 発電所なるほど情報

 のふどかな山間地に静かにたたずむ発電所

 大平発電所の概要

 

*2:熊本・竜宮滝発電所が営業運転開始 - 産経ニュース

www.sankei.com/region/news/.../rgn1503270023-n1.html

九州電力が熊本県山都町に建設した水力発電所、竜宮滝発電所(出力200キロワット) が26日、営業運転を開始した。同発電所は、緑川水系大矢川から取水。年間発電量は 約…

 

*3:http://www.kyuden.co.jp/effort_water_water03.html

 

 

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2750053.html

TBSの動画ニュースサイト News i

川内原発と玄海原発は異常なし、3つの水力発電所が停止ここから本文です

最終更新:2016年4月15日(金) 0時56分

川内原発と玄海原発は異常なし、3つの水力発電所が停止

 

 九州電力は、鹿児島県の川内原発と佐賀県の玄海原発に異常はないと明らかにしました。また、3つの水力発電所が停止しているということです。

 

  九州電力によりますと、鹿児島県の薩摩川内市にある川内原発は稼働中でしたが、異常はなく、発電を続けているということです。佐賀県の玄海原発は運転停止中でしたが、こちらも異常はないということです。

 

 また、経済産業省によりますと、九州電力の管内の横野発電所、竜宮滝発電所、大平発電所の3つの水力発電所で発電を停止しています。

 

 一部の送電線で送電をストップしているほか、菊池市の川辺変電所でも変電設備を停止しているということです。(15日00:16)

 

 心配は、地域の停電ではない。現在、川内原発1・2号機が運転中だが、その非常用外部電源は、通常なら、九州を南北に連結している50万[V]の連携線で、鹿児島へは、「南九州変電所」から、長い長い高圧送電線を通じて「給電される・予定」だが、それらの正常性は一切報道されてない。

 その点なのである。

 

 れいほく火力は運転していると言うが、北方からの送電線は、すべて「同じ鉄塔」に取り付けられた回線から川内火力の「鉄構」を経由して、火力発電所無いの開閉器に接続されている。

 開閉器で切り替えられたあと、再び同じ「鉄構」を経由して、川内側の中州の鉄塔を経由し、川内側を渡河し、今度は西側に向きを変え、「川内原発」に給電されている。

 すべての外部電源が、「川内火力の鉄構」を経由して給電されている。川内原発の外部電源は、この鉄鋼がゆがめば、「すべて瞬時に失われるシステム設計だ。」。

 この恐ろしさを、安倍首相は恐らく知らない。

 

  北部より(1回線)  南九州

  常時は非接続!  変電所から

        :       :

 川 鉄構  │      │

 内 開╂←┘      │

 力 閉╂←─────┘

 火 器╂→────┐中州

       川内川==◇====…

 川内原発─←───┘←鉄塔は1組のみ

 

<図1>川内原発外部電源概念図

 

160416土10:12(JST+00:15)

 

http://www.kyuden.co.jp/emergency/pc/43/prefecture.html

※最新の情報が表示されない場合は「ページの更新」を行ってください。

 (ブラウザの更新ボタンか、Ctrl+F5キーで行えます。)

熊本地域の地震に伴う停電の状況について        

 

4月16日(土)125分頃に発生した「平成28年熊本地震」に伴い、4月16日(土)900現在、熊本県内において約168.8千戸が停電し、大変ご迷惑をおかけしています。

当社では非常災害対策総本部(本店)、各支社に非常災害対策本部を設置し、防災体制に入っています。

なお、当社の原子力発電所については川内原子力発電所12号機とも通常運転継続中です。玄海原子力発電所は停止中であり、プラントの状態等に異常は確認されておりません。

また、苓北火力発電所は運転継続中であり、プラントの状態等に異常は確認されておりません。

 

※切れた電線や垂れた電線には絶対に触れないで最寄りの九州電力営業所へご連絡下さい。



添付写真は、川内原発が外部電源としてアテにしている「南九州変電所」。こんなに遠くからの送電をアテにしないとならないのが川内原発。

 

添付写真説明(4枚)

 添付した九州全域図のうち、下の緑矢印は、googlemapの誤表示。北よりの緑矢印が、「南九州変電所」。

 南九州変電所構内拡大。

 川内火力全景。

 川内火力鉄構と開閉器。送電線は写真右下(川内原発への送電線)と、写真右上(南九州変電所へ)の主に2ルートしかない。

 

 心配は、地域の停電ではない。現在、川内原発1・2号機が運転中だが、その非常用外部電源は、通常なら、九州を南北に連結している50万[V]の連携線で、鹿児島へは、「南九州変電所」から、長い長い高圧送電線を通じて「給電される・予定」だが、それらの正常性は一切報道されてない。

 その点なのである。

 

 れいほく火力は運転していると言うが、北方からの送電線は、すべて「同じ鉄塔」に取り付けられた回線から川内火力の「鉄構」を経由して、火力発電所無いの開閉器に接続されている。

 開閉器で切り替えられたあと、再び同じ「鉄構」を経由して、川内側の中州の鉄塔を経由し、川内側を渡河し、今度は西側に向きを変え、「川内原発」に給電されている。

 すべての外部電源が、「川内火力の鉄構」を経由して給電されている。川内原発の外部電源は、この鉄鋼がゆがめば、「すべて瞬時に失われるシステム設計だ。」。

 この恐ろしさを、安倍首相は恐らく知らない。

 

  北部より(1回線)  南九州

  常時は非接続!  変電所から

        :       :

 川 鉄構  │      │

 内 開╂←┘      │

 力 閉╂←─────┘

 火 器╂→────┐中州

       川内川==◇====…

 川内原発─←───┘←鉄塔は1組のみ

 

<図1>川内原発外部電源概念図

 

160416土10:12(JST+00:15)

 

http://www.kyuden.co.jp/emergency/pc/43/prefecture.html

※最新の情報が表示されない場合は「ページの更新」を行ってください。

 (ブラウザの更新ボタンか、Ctrl+F5キーで行えます。)

熊本地域の地震に伴う停電の状況について        

 

4月16日(土)125分頃に発生した「平成28年熊本地震」に伴い、4月16日(土)900現在、熊本県内において約168.8千戸が停電し、大変ご迷惑をおかけしています。

当社では非常災害対策総本部(本店)、各支社に非常災害対策本部を設置し、防災体制に入っています。

なお、当社の原子力発電所については川内原子力発電所12号機とも通常運転継続中です。玄海原子力発電所は停止中であり、プラントの状態等に異常は確認されておりません。

また、苓北火力発電所は運転継続中であり、プラントの状態等に異常は確認されておりません。

 

※切れた電線や垂れた電線には絶対に触れないで最寄りの九州電力営業所へご連絡下さい。

関西電力 5年ぶりに黒字見通し 毎日放送(転送歓迎・出所明示のこと)

【安上がりに再稼働】

 「原発再稼働に無関係に(原油値下がりで)黒字」という点に留意。
 無理して再稼働するにあたって、(見かけだけでも新基準に適合させるために)様々な工事・追加装置が必要になるので、本当は「動かさない方が儲かる」はずだ。
 しかしオフ・サイト・センタ(遠隔設置第2制御所)も免震重要棟も、無しで済ましているので、ずいぶんと「安くあがっている」はずだ。

【冷やし続ける宿命を背負う核エンジン】

 一方、停止中の原子炉は、冷却のために、定格電気出力の5ー10%の電力を「吸い込み」続ける。また、挿荷中の核燃料には課税される(立地市町村にお金が落ちる。)。

 先日高浜原発に言ったときに、海岸沿いの高台(展望台の愛称があるようだ。急遽救護所テントが設営された。)から発電所を見ると、もうもうと多量の蒸気があがっていた。
おそらく燃料はクリスマスに「挿荷されただけで」既に熱くなっており、それを冷却しているのだろう。

 原子炉は、制御棒を挿入すれば「完全停止する」と(原発神話により)誤って信じ込まされている。だが、熱出力はゼロ%にはならず、(余熱とは別に)「約10%の熱が出続
け」、それを「冷やし続け」なければならない、「完全停止が不可能なエンジン」である。

 (核燃料を取り出さない限り)冷やし続ける為に、外部電源から電気を吸い込み続ける(関西電力にとっては「売り物」の電気が減少する。)。

 また、核燃料を取り出しても、燃料自体が熱を発し続けるので、【数年間】は「使用済み燃料プール」内で水冷しなければならず、このプールの水が沸騰しないように、電力を
使用して、冷却水を熱交換機で(海水利用で)冷やし続けねばならない。もし減水で燃料棒が空気中に露出すれば、被覆管が高熱になり燃焼するか溶解してしまう(福島第1原発
4号機燃料プールで、貯蔵使用済燃料のほぼ全量が、燃焼・爆散し、環境中に全量放出されたと推定されると、NRC公式報告書は述べている。<筆者は疑問を持つ>)(*1)


 核燃料は、【数年間水冷した後】でなければ、「キャスク」(重量120ー150[t]の耐衝撃遮蔽コンテナ)による移動も不可能だ(空冷フィンは装備されているが、運搬
中に過熱してしまうので)。
 こういう「冷却維持」(炉心+燃料プール+共用燃料プール)が、震災下でほとんどうまく行かないことは、福島第1で、ご覧の通り。

【防潮堤は無力】

 高浜原発の高さ8[m]の防潮堤も、恐らく無力。
 東日本大震災の被災地、大槌町等を視察して感じたことは、高さ10[m]以上ある「堤防の堤体」は、基礎から倒れており、津波の威力の大きさをはっきりと表していた。津
波に備える堤防は、「増水に備える『堤防』」とは、まったく要求される強度が違う。

【(高台移住以外で)津波対策が有効だった唯一の例】普代水門

 唯一ほとんど無傷で残り、町民の命と財産を守る役割を果たしたのは、普代村(*2)の河口に設けられた高さ15.5[m]の水門『だけ』であった(その他の地域の「対津
波用」防波堤は、ほとんど破壊・基礎から倒壊・乗り越えで、ほとんど役に立っていなかった。)。実際に仙台から普代村までレンタカーで私費で視察した結果言うのである。


 水門というより、ほとんど「大型砂防ダム級」で、それでも水門頂部を津波が乗り越え、キャット・ウォーク手すりはねじ曲がり、上流側に「落下」した水で、川底は数カ所深
く洗削されていた(巨大洗削坑となり水が溜まっていたいた)。

 これは普代村(ふだいむら)の故村長が、周囲に変人扱いされるのもものともせずに大変な努力(説得)と巨費をかけて完成させた巨大構造物(*3)。この水門より海岸方に
住んでいた人達は、全員上流側に移住した。首都圏ではこの規模の構造物は予算的には珍しくもないが、人口わずか3000名程度の村が、この予算(通常なら国1/3・県1/
3としても村も1/3支出)を獲得することは容易ではなかったと判る。「2つの工事の総工費は約36億円。人口約3千人の村には巨額の出費」(*4)

 この水門完成と(命がけの)閉鎖成功のため、犠牲者はただ1名。水門を閉めに急いだ消防団団員だけだと聞いている。水門はうまく閉まり、町は守られた。先見の明のある指
揮者が居る町は幸いだ。
 水門ゲートは、4基中、中央1基だけだ僅かに上がり開かれており、川の水を海へと流している(写真参照)。写真右上が河口側・左下が上流(村落のある側)。

【改めて原発『防潮堤』は】奥尻津波の教訓生きず

 原発に『防潮堤』をつくるとしても、この「普代水門級」の頑丈なもの(静的増水を押さえるので無く、「津波衝撃力」に耐える必要あり)でなければ少しの役にも立たないし
、15.5[m]でも20[m]の津波が乗り越えたのだから、少なくとも20[m]越え級が必要。北海道の奥尻島津波(日本海中部地震1983年)(*5)では30[m]
越えだったので、30[m]越え級でなければ十分とは考えられない。
 少なくともこの奥尻津波(1983)発生時点で、国内の全ての上級建設技術者・原発メーカ・官公庁の幹部は、「30[m]越え級津波が原発を含め海岸を襲う実例がある。
」ことを全員知っていたはずだ。だから、福島の事故は絶対に「未必の故意」「重過失」を免れることはできない。

 36億円の工費は、川幅だけをせき止める堤体工事費+河口防潮堤だけでこの金額だ。「原発周囲を完全に取り囲まなければ」ならない。更に原発には、大量の冷却水の給・排
水路が必要になるので、ここの閉鎖も難しいところだ。
 
 そこまでして、動かす価値があるのか原発。
 高浜原発の即時運転停止・早期廃炉を望む。 

*1:すると、数ヶ月かけて行われた、4号機燃料プールから、敷地内の共用プールへの軽量キャスク(110[t])を使用しての燃料移動作業は、全て「茶番」だったという
ことになる。発表された写真も類似別施設写真を「流用」したか、合成写真か、CGということになる。
 通常、公称「同型」と言われる設備でも、内部の配置や、装置メーカが異なっていることはよくあり、「個性」が在ることが覆い。軍艦や発電所も同様だ。その理由は、数少な
い特殊機器を製造するメーカの技量維持・経営維持のために、同一仕様器機を分散発注する場合がある。
 また、最初同一機器で完成させても、故障機器が出た場合、他メーカの同様の取り付け寸法・能力の装置に取り替える場合もある。これで個性が生まれる。
 艦船は、運用の都合上「同型艦を3隻単位で発注・建造」する。特に護衛艦の場合、国内に主に5カ所在る軍艦建造可能な造船所(磯子・呉・舞鶴・佐世保・長崎)のうち3カ
所(三菱造船・IHIマリンユナイテッド・三井造船玉野・住友造船・ユニバーサル造船舞鶴(旧日立造船舞鶴))に分散発注する(本来1カ所に3隻発注した方が量産効果が少
し出て安い。船台・ジグが共用できる。)。マニアは同型艦でも灰色~微青灰色「外装塗色」のわずかな違い(各造船所に特有のカラーがある)だけで、どの造船所建造か判別可
能だ(僅かに例外あり)。
 であるから、「本当に4号機燃料プールの写真か」(偽写真か真正か)見分け可能な人間が複数いるはずだ。彼らによる「使用済み燃料移動の真偽報告」を望む。
*2:岩手県下閉伊郡普代村。
*3:(あしゅらによるMSN産経の保存記事)
死者ゼロの岩手・普代村を守ったのは… 2人の「ヒーロー」(MSN産経)
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/256.html
投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 4 月 25 日 23:00:49: igsppGRN/E9PQ Tweet
【東日本大震災】死者ゼロの岩手・普代村を守ったのは… 2人の「ヒーロー」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110425/dst11042522170042-n1.htm
2011.4.25 22:16 :産経新聞
 過去の津波で多数の犠牲者を出した岩手県普代村は東日本大震災では死者ゼロ、行方不明者1人にとどまった。被害を食い止めたのは高さ15・5メートルもの水門と防潮堤。
昭和40~50年代、当時の村長が反対の声を押し切り、建設にこぎつけたものだ。ただ、今回は水門脇ゲートの自動開閉装置が故障し、1人の消防士が水門へ向かい、手動でゲ
ートを閉めた。危機を見越した過去の政治的英断、そして地震直後の献身的な行動が村を守った。(梶原紀尚)
■もう少し低かったら…
 久慈消防署普代分署の副分署長を務める立臼勝さん(50)は「水門の高さがもう少し低かったら、村にはすごい被害が出ただろう。もちろん私の命もなかった」と振り返る。
 3月11日の地震直後、自動開閉装置の故障を知った立臼さんは、村を流れる普代川の河口から約600メートル上流にある水門に向かって消防車を走らせた。故障したゲート
を閉めるには水門上部の機械室で手動スイッチを使うしかないからだ。津波の危機感はあったが、「まさか、あれほど大きな津波がくるとは思っていなかった」。
 機械室に駆け上がって手動スイッチに切り替えると鉄製ゲートが動き、ほっと一息ついた。消防車に乗って避難しようとしたとき、背後から「バキ、バキッ」と異様な音がする
のに気付いた。普代川を逆流してきた津波が黒い塊になって防潮林をなぎ倒し、水門に押し寄せてくる音だった。アクセルを踏み込み、かろうじて難を逃れた。
 津波は高さ20メートルを超えていた。水門に激突して乗り越えたが勢いはそがれた。水門から普代川上流にさかのぼってほどなく止まり、近くの小学校や集落には浸水被害は
なかった。
 立臼さんは「高い水門をつくってくれた和村さんのおかげ」と話した。
■名物村長の“遺言”
 和村さんとは、昭和22年から10期40年にわたり普代村の村長を務めた故・和村幸得さんのことだ。昭和8年の三陸大津波を経験し、防災対策に力を入れた村長だった。
 村では明治29年の大津波で302人、昭和8年の大津波でも137人の犠牲者を出した歴史があり、和村さんは「悲劇を繰り返してはならない」と防潮堤と水門の建設計画を
進めた。昭和43年、漁港と集落の間に防潮堤を、59年には普代川に水門を完成させた。
 2つの工事の総工費は約36億円。人口約3千人の村には巨額の出費で、建設前には「高さを抑えよう」という意見もあった。だが、和村さんは15・5メートルという高さに
こだわった。
 普代村住民課長の三船雄三さんは「明治の大津波の高さが15メートルだったと村で言い伝えられていた。高さ15メートルの波がくれば、根こそぎやられるという危機感があ
ったのだろう」と話す。和村さんは反対する県や村議を粘り強く説得し、建設にこぎつけた。
 村長退任時のあいさつで職員に対し「確信を持って始めた仕事は反対があっても説得してやり遂げてください」と語ったという和村さん。三船さんは「当時の判断が村民の命を
守ってくれた、とみんな感謝している」と話している。
*4:(写真多数)
北海道南西沖地震、現地調査写真リポート 奥尻島 山村武彦 奥尻島
http://www.bo-sai.co.jp/sub8.html
日本海中部地震(1983年)では地震発生後17分後に奥尻島を津波が襲った。 その10 年後、奥尻を襲った北海道南西沖地震のときそれを覚えていた人も多く
まだ大丈夫だろうと岬の突端を回って車で高台に避難しようとした人たちは約5分後の津波で車ごと流  ...
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160130-00000001-mbsnewsv-soci
関西電力 5年ぶりに黒字見通し
毎日放送 1月30日(土)0時21分配信

 関西電力は、グループ企業を含めた今年度の連結決算が5年ぶりに黒字となる見通しであることを発表しました。

 関西電力によりますと、今年3月までの1年間の連結決算は、昨年度の1483億円の赤字から大幅にプラスに転じ、1500億円の黒字になる見通しだということです。

 連結決算の黒字は5年ぶりで、火力発電所で使う燃料価格の下落や、去年4月以降の電気料金の値上げが主な要因だということです。

「一時的な収支改善効果が大きいということなので、収支安定化に向け、引き続き経営効率化に最大限の努力を積み重ねる必要がある」(八木誠社長)

 29日には福井県の高浜原発3号機が再稼動しましたが、電気料金の値下げについて八木社長は、「来年度のなるべく早い時期」と繰り返すにとどまりました。
毎日放送 最終更新:1月30日(土)0時29分

高浜原発4号機が緊急停止 再稼働直後、発電機トラブル 朝日D
 
 「PT異常信号」の原因は、約12時間経過後の今も(8時間後に発表の)「第2報」でも明らかにされていない。
 
朝日(*1)、日経(*2)、関電記者発表(*3)で考える。
 
 さて、高浜での過去に起こった恐ろしいことを紹介。同社プレスリリース(*4)によれば、非常用ディーゼル発電器に異常振動が発生し停止。その理由は、「弁のナット緩止
め割ピン付け忘れ」というお粗末なものだ。しかもA号非常用ディーゼル発電器すべての弁に取り付けられていなかったのだ(部品交換時に「ピン無しの弁部品で全て組み立て」
)。
 
 割ピンは、振動するナットやボルトに取り付けられており、国鉄では、蒸気機関車にも多用していた単純な構造で信頼性が高い緩み止め手段だ(ただし、ボルト/ナット取り外
し時に曲げ戻して抜くので、ピンは普通消耗品。)。
 JRは現在でも架線碍子・電柱支線の引き留めボルト部に使用している。仮にナットが緩んでボルト上で回っても、ピンの部分でナットが止まり、それ以上緩まず、抜け落ちも
無いようになっている。欠点は、「ボルト/ナットに穴をあけた特殊品」を使用しなければならないことだ。
(注:(a)ナットに穴をあけてナットとボルトをピンで貫通固定させる方法(ナットは全く動かない)と、(b)ボルトのみに穴をあけ、ナット移動を制限する方法(ナットは
ピン位置までは緩む)の2通りがある。)
 
 外部電源が落ちた時、最後の電源としての非常用ディーゼル発電器の組立からしてこのざまだ。とてもまじめに「点検・整備・運転」している会社とは考えられない。
 もし、これがジャンボ機だったらどうなるのか?「非常用油圧回路の閉止栓が、緩んでいました。すべて緩み止めのワッシャが入れ忘れでした。」
 その会社は、乗客が避けて、たちまち赤字経営になるのではないか?さすが、殿様商売。そんなことがあっても(どんなことがあっても。たとえ原発3基が爆発しても)つぶれ
ない。

 
このメッセージには「手書きメール」が添付されています。
 
 さて、前号でも説明したが、更に「割ピン」について、先ほど取材してきたので写真を添える。
 
 まず、添付ファイルの図。上の図は「子供用自転車の補助車輪」で、2カ所を曲げた短冊状鉄板に短いシャフトが取り付けられており、自転車の後輪車軸にナットで重ねて止め
、もう片方は、「ワッシャー、車輪、ワッシャー、割ピン」の順で取り付ければ、補助車輪が回転しても車輪が脱落することはない(ナット不使用のため。)
 
 添付ファイルの図。下の図は「キャリア」である。買い物等に使用する荷物を載せる小型台車だ。通常2個または4個(4個使用型は自立可能)の小型車輪を有し、その車輪は
低コスト化と車輪脱落防止のために、自転車補助車輪と同じ取付け方になっている。シャフトに「ワッシャー、車輪、ワッシャー、割ピン」の順で取り付ければ、キャリア車輪が
回転しても、車輪が脱落することはない(ナット不使用のため。)
 
 1件目は、横浜市西区内の小公園のブランコ支点部分。この部品は、ブランコの振動に伴い前後に90度以下の回転を極めてた数回行う。その部分のボルト/ナットは緩む可能
性がある。こういう場所に割りピンを併用すると緩み止めが確実である(写真のブランコ支点は割ピン未使用)。
 
 2件目は、横浜市西区「西横浜第1跨線人道橋」付近の、東海道線架線支線部碍子である。電圧の架かっている架線に張力を与えて、ぴんと張っておくために、片側を地面や鉄
柱・鉄構等に引き留めるが、そのまま接続すれば、「地絡事故」になってしまう。そこで2連碍子2組(写真はそのうち1組)で絶縁し、張力だけを伝える。
 かねてより印象に残る碍子部なので、今回の話題「割ピン」に最適であるため、深夜に撮影に行ってきた。
 2連の碍子の両側にワイアが取り付け金具で、ボルトを通し止められている。その金具も、碍子の金具部にボルトを通し止められている。碍子の両側で計4カ所のボルトは、ナ
ット止めの上、脱落防止に「割ピン(曲げピン)」が挿入され、ピン自身も抜けないよう「曲げられ」ている。(注:「曲げピン」は述語ではないが、それ以外に呼びようがない
。)
 鉄道は、このように様々な物に細心の注意をはらって、安全確保を目指している。
 
 しかるに、原発のていたらくは何だ。鉄道事故は、仮に朝の満員の乗車率180%の東海道線が事故を起こし、全員亡くなったとしても最大「144×1.8×13(3等車)
+100×1.8×2(2等車)=3730名」の惨事(ジャンボ機事故の約8倍の規模)だ。
 だが、原発事故の場合、そんなものでは済まない。極めて長期にわたり、あるいは半永久的に「広範囲の国土」と「多数の人命」が失われる」ことは、チェルノブイリ、福島第
1の事故で明らかである。

───────────────────────
*1:
http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y4V5TJ2YPLFA008.html?ref=yahoo
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20160229003649.html
原発4号機の送電開始作業中に警報が鳴り、計器類を確認する運転員ら=29日午後2時3分、福井県高浜町、代表撮影
朝日新聞デジタル
>記事 社会 高浜原発4号機が緊急停止 再稼働直後、発電機トラブル
2016年2月29日15時47分
高浜原発4号機の送電開始作業中に警報が鳴り、計器類を確認する運転員ら=29日午後2時3分、福井県高浜町、代表撮影
 
 関西電力は29日、高浜原発4号機(福井県高浜町)が発電機のトラブルで緊急停止したと発表した。現在、原因を調べている。
関西電力、高浜原発4号機を再稼働 新規制基準で4基目
特集:高浜原発
 
 関電によると、午後2時1分、発電と送電開始の作業中に、高浜4号機の発電機が停止するトラブルがあった。それに伴い原子炉が自動停止したという。
 
 高浜4号機は26日に再稼働し、29日から発送電を始める予定だった。関電の広報担当は「原子炉の起動作業からやり直す必要がある」と話し、3月下旬としている営業運転
の開始は遅れる可能性が出てきた。
 
*2:
http://www.nikkei.com/article/DGXLASHD29H1K_Z20C16A2000000/
報 > 企業 > 記事
関電、高浜原発4号機が自動停止 原子炉の冷却は維持
2016/2/29 15:19 (2016/2/29 18:24更新)
関電高浜原発4号機で発送電を開始する作業中に原子炉が停止し、中央制御室で状況を確認する運転員ら(29日午後、福井県高浜町)=代表撮影
 
 関西電力高浜原子力発電所4号機(福井県高浜町)で29日午後2時すぎ、発電機と送電設備をつなぐ作業直後、変圧器の故障を知らせる警報が鳴り、発電機と原子炉が自動停
止した。原子炉は核分裂反応を抑える制御棒が自動で挿入されて止まった。関電によると、原子炉の冷却は維持されており、環境への放射能の影響はないとしている。
 
 関電は同日午後5時すぎ、大阪市内で記者会見し、「大変なご心配をおかけして申し訳ございません」(木島和夫原子燃料サイクル部長)と陳謝した。
 
 関電が4号機の警報の回路を調べたところ、原発でつくった電気の電圧を送電用に高める主変圧器の故障を示す回路が働き、発電機が自動停止したことが分かった。主変圧器に
何らかの不具合があり、電圧のバランスが崩れたとみられる。出火など外観上の異常は確認されていない。
 
 4号機は26日に再稼働したばかり。27日に核分裂が安定して続く「臨界」に達し、29日は電力供給を始める作業を進めていた。関電は今回のトラブルの原因究明と対策が
終わり次第、4号機の再稼働工程を再開したい考えだが、当初の予定からは遅れることになる。
 
 関電の公表基準に照らすと、今回は「原子炉を停止し、必要な対策を実施」するもので、「速やかに公表」する最高段階のレベル4に相当する。
 
 4号機では20日、1次冷却水が漏れる不具合が起きた。関電は配管の弁のボルトを締め直すなどの対策を取り、26日に原子炉を起動した。
 
*3:高浜発電所4号機の原子炉自動停止について(第2報) [関西電力]
www.kepco.co.jp > HOME > 企業情報 > プレスリリース
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/0229_3j.html
4時間前
2016年2月29日 関西電力株式会社
高浜発電所4号機の原子炉自動停止について(第2報)
 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉:定格出力87.0万kW)は、本日14時01分26秒、並列操作を実施したところ、14時01分26秒、発電機が自動停止し、「主変
・発電機内部故障」および「PT※故障£の警報が発信し、14時01分27秒タービンおよび原子炉が自動停止しました。
 現在、原因については、調査中です。
 また、高浜4号機のタービン、発電機、原子炉の自動停止状態は良好です。
 ※PT:計器用変圧器
 その後、発電機が自動停止した際、「主変・発電機内部故障」の警報が発信していたため、現地のリレー盤にて、当該警報の発信要素の動作リレーを確認したところ、主変圧器
の故障を示す検出回路が動作していることを確認しました。
 その結果、発電機自動停止回路が作動したことから、発電機が自動停止に至ったと考えられます。
 「PT故障」発信の原因については、現在調査中ですが、「PT故障」の警報は発電機自動停止に伴い発信する警報でもあります。
 また、高浜発電所4号機の排気筒モニタと高浜発電所の周辺モニタの指示値に有意な指示変動はなく、環境への放射能の影響はありません。
 原子炉停止後の運転パラメータは安定しています。
以 上
*4:原子力発電所の運営状況について [関西電力]
www.kepco.co.jp > HOME > 企業情報 > プレスリリース > 2007
プレスリリース検索 ... その後、ECTで有意な信号指示が認められた13箇所で浸透
探傷試験(PT)※3を実施したところ、それら全ての箇所において有意な浸透指示模様(最大長さ:約17mm)を確認しました。 ... 発電所名, 高浜発電所2号機,
発 生 日, 第24 回定期検査中(10月1日) ...
異音と温度上昇が確認されたため、同DGを停止するとともに、保安規定に基づく運転上の制限※3を満足していないと判断しました。
 
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2007/1015-1j.html
(2)(1)に至らない軽微な事象 
発電所名 高浜発電所3号機 発生日 9月28日 
件  名 A?非常用ディーゼル発電機の待機除外※1について(添付図3参照) 
事象概要 および対 策 等
 定格熱出力一定運転中の9月28日、2台ある非常用ディーゼル発電機のうちA号機(以下、A?DG)の定期起動試験(1回/月)を実施していたところ、ディーゼル機関(
14気筒)のNo.1シリンダ始動弁※2付近にて異音と温度上昇が確認されたため、同DGを停止するとともに、保安規定に基づく運転上の制限※3を満足していないと判断し
ました。
 本事象による環境への放射能の影響はなく、プラントの運転にも影響はありません。
 当該始動弁の分解点検を行なった結果、弁体と一体となっている長尺の弁棒を上部で固定しているナットの廻り止めピン(割ピン)がなく、ナットに緩みが生じ、弁体が下がり
完全に閉止していない状態でした。他の始動弁についても廻り止めピンがなく、ナットの緩みが認められました。
※1(待機除外) :通常、いつでも起動できる状態(待機状態)にある機器を起動できない状態とすること。
※2(シリンダ始動弁):DGを起動させる際、クランク軸を回転させるための始動用空気をシリンダ内に注入する弁で、DG起動後、始動弁は閉止する。
※3(保安規定の運転上の制限):運転中は、非常用ディーゼル発電機2台が動作可能であること。
 原因は、弁棒上部のナットには、本来廻り止めピンが取付けられている構造でしたが、当該品はこのピンがなかったことから、定期負荷試験等での弁の開閉動作に伴ってナット
が徐々に緩み、弁が完全に閉止しない状態となりDG起動後、シリンダ内の燃焼ガスが始動弁側に逆流し、異音と温度上昇が発生したものと推定されました。
 廻り止めピンが取り付けられていなかった原因は、以下の経緯によるものでした。
 ○始動弁はDG分解点検時に取り外し、工場にて部品手入れ後、発電所で予備品(ローテーションパーツ)として保管し、次回取付け時、各部の寸法確認し、廻り止めピンの取
付けた後、DGに組み込んでいた。 
 
 ○平成15年、異物管理を徹底するため、工場にて部品手入れと寸法確認、廻り止めピンの取付けまで行い、完成品として発電所に保管し、次回取付け時そのままDGに組み込
むよう組立手順を変更した。 
 
 ○今回の始動弁は、平成15年以前の手順にて手入れし、予備品(廻り止めピンのない状態)として保管されていたが、平成17年のDG分解点検時に組み込む際、新しい手順
にて保管されていた予備品(廻り止めピンが取り付けられた完成品)と思い込み、DGにそのまま組み込んだ。 
 
 ○このため、廻り止めピンが取付けられていない始動弁が組み込んだ。 
 以上のことから、今回の原因は、DG分解点検後の組立時に、部品(始動弁)の品質管理が不十分となり、また、組立手順の変更が予備品(ローテーションパーツ)の管理に全
く反映されていないことが原因と推定されました。
 対策として以下のとおり実施することとしました。
 ○始動弁全台(14台)について、廻り止めピンがある予備品に取り替えた。その後、A?DGの確認試験を行い、9月29日に保安規定に定める運転上の制限を満足した状態
に復帰した。 
 
 ○今回の始動弁の組立手順の変更は、高浜発電所として改訂したものであったことから、高浜発電所にある当該DG以外のDG全7台について、廻り止めピンがついた始動弁が
取り付けられていることを確認した。 
 
 ○今後、機器の分解点検後の組立作業にあたっては、部品の品質管理を徹底するとともに、組立手順を変更する際には、既に保管されている予備品(ローテーションパーツ)が
、変更内容に合致した状態で保管されているかを確認する。